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山田とモニカ、キタザワ達と知り合う

「ミドルミドルミドル!イケや!神雷しんらい・純米大吟醸中取り・ブラックライジングサン!」


 レイナは、残る青のレッサーデーモンをミドルキックと雷属性のハイキックを使って倒した。

 ワータイガーのほうを確認すると、キタザワが引き付けていたので、モニカのほうに戻る。


「あんた、さっきもいたけど、2人でやってるの?」


「ありがとうございます。はい、連れはやられてしまったのです。しくしく……」


「さっきの男に無理やり付き合わされてる感じ?」


「あ、いえ、そういうわけではないのです。えと……(それより、この人スカート短すぎー)」


 モニカの元に、ワータイガーを倒したキタザワもやってきた。


「初めまして、モニカ姫」

(え?炎のキタザワ?)


 驚くモニカ。レイナがキタザワに尋ねる。


「ところで、なんで知ってるの?キタザワ」


「ローザが気に入ってるみたいでな。動画で見たことある。衣装やスキルを販売してるコだよ。こないだスキル買ったってさ」


「あ、ありがとうございます。ローザさんに宜しくお願いしますです。(……ローザさんが姫を付けて呼んでるのかな?)」


 とりあえずキタザワに礼を言うモニカ。そして、ルタオもやってきた。


「おう、初めまして嬢ちゃん」

(え?ライトニングサンダーなんとか?デカっ!)


 ルタオのガタイに驚きつつ挨拶するモニカ。


「えと、モニカです。炎のキタザワさんと、ライトニングサンダーさんと……」


「レイナよ。あとこの筋肉はルタオと呼んでね。まんま筋肉でも良いけど」


「敬称も敬語も要らんぜ、モニカ嬢ちゃん。俺らのが歳上かもしれんが、ここじゃそんなの関係ねえ。しかしだ、レイナ。筋肉は人間の扱いなってねえだろ!」


「ところで、どうするのよ?カーバンクルのほう」


「人数が多いほうが捗るだろ。モニカ嬢ちゃんも一緒にどうだ?」


「えっと、カーバンクル?さっき遠くで見かけたやつかな?」


 モニカは、山田と一緒に何度か戦っていたときに、妙なモンスターを見かけていた。


 キタザワがモニカに尋ねる。

「どんなやつだった?」


「青いウサギみたいな感じの可愛いコでした。しっぽが長くて、頭がキラキラしてたです。連れがやられてしまって追いかけなかったんですけど……」


「たぶんそいつだ、ルタオ」


「カーバンクルって竜の姿じゃねえの?」

「あたしはリスって聞いたわ」


「姿と色は決まってないんだよ。どっち行ったか覚えてるか?」


「えと、確かあっちの丘のほうに逃げたです。あ、山田ぁー」



 山田がキョロキョロしながら、モニカのほうにやってきた。


「動いてなかったのか、モニカ」

「強い人たちが助けてくれたの」


(炎のキタザワ?て、めっちゃ強いんじゃなかったっけ)


 驚きながら3人に挨拶する山田。

「初めまして、山田っす。俺、高1なんで呼び捨てで」


 山田は最年少のはずなので、その旨を伝えた。

 CFUは、暗号資産の口座に実質収入が得られる都合からも、対象年齢は15歳以上である。なお、18歳未満の場合、口座は親名義となる。


「炎のキタザワだ、よろしく」

「ルタオと呼んでくれ。敬語は要らんぞ」

「レイナよ。とりあえずフレ登録しましょ」


 山田はプレイ2日目にも関わらず、トップクラスのプレイヤー達とフレンド登録することが出来た。

 ほとんどモニカのお陰だが、山田が初期設定の服装でなければ、どうなってたかは分からない。



「ねぇキタザワ、見つけるのは捗るかもだけど、全員が倒せるの?」


 レイナがキタザワに問いかけた。1体しか見つからなかった場合、全員が報酬を得られない可能性が懸念される。


「カーバンクルは弱くないよ。うちのギルメンは負けてるしな。山田とモニカ姫も貢献度は稼げるはず。1体でも報酬が多いから、倒せれば問題ない」


 山田がモニカに確認する。

「カーバンクル?モニカが見たって言ってたウサギ?」


「うん、そうみたい。やっぱレアなんだって。でも、ライジングサンのギルメンが負けたって……」


「心配すんな、モニカ嬢ちゃん。俺たちもいるから大丈夫」


「ルタオ、反射あるからすぐに殴るなよ」


「まー、あたしが筋肉バカの代わりは出来るからさ」


「ぐぬぬぬぬ。(さっきの件あるから何も言えん)」


 モニカは、攻撃を反射する相手と戦ったことがないため、キタザワに確認する。

「あたし補助なんですけど、デバフは効くんですか?」


「大丈夫。いくつかの属性攻撃だけ反射される。俺らは前衛攻撃が基本だから、補助役がいると助かるよ。回復は出来る?」

「回復とバフもあるです。飴ですけど」


「「飴??」」


 意味が解らず驚くルタオとレイナ。CFUの標準スキルと駆け離れているため、イメージが出来なかった。


「あ、あたしの回復とバフは食べ物を出すです。食べてください…です」


「そっか、自分で創ってるんだもんね。ちょっと楽しみー。あたしのスキルは名前だけだしさ」


「レイナ、たぶん本当に酒を出すのはAIが許可しないぞ」


 キタザワの言うように、CFUは未成年もプレイ出来るため、酒を出すのは許可されない。銘柄の権利もある。


 山田は、ワータイガーについて確認しておくことにした。そのせいで何度か負けたのは、さすがに悔しかった。


「キタザワさん、ワータイガーって、どうすりゃ倒せるんすか?」


「あれは後衛殺しだからね。杖だと、光属性の攻撃魔法がないとキツいかな。それか雷や氷で動きを止めて一気にやる」


「ありがとうございます。まだ光の攻撃がないから対応は出来ないな」


「光の攻撃を当てると、簡単には近寄って来なくなるんだけどね。まあ速い敵が来たら俺がヘイト集めるから大丈夫。俺は大盾も出せるし」


 結局、現状の山田とモニカでは無理があった。モニカのスターズは光だが、デバフは解除されてしまうし、そもそも速すぎて躱されることもある。

 キタザワのレベルだと、炎でも強引にねじ伏せられる。今はキタザワに頼るしかない。


「よし、そんじゃ丘のほうに向かおうぜ。キタザワは、山田とモニカ嬢ちゃんが攻撃されづらいよう、ヘイト集める担当で」


 5人パーティーで丘のほうに向かうことになった。


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