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山田、ボーナススキルを試す(1)

 時は少し遡り、山田たちがペンタグラム・コロシアムを観戦し終わった頃である。


 荒木が中島に話しかける。

「ライジングサンがボスに勝てねえとか、まだ調整が要るよな」

「うちのギルド、参加者10人は集まりそうないから、どのみちまだ先だけどな」


「それより、どうするの?まだ時間あるなら少し狩りに行きたいんだけど」

「俺は大丈夫。荒木と中島も行けるよな?」

「大丈夫、荒木は?」

「行けるけど、せっかく前衛後衛2人ずつだし、少し難しいクエストにしねえ?Hey、アダム!」


 荒木はアダムを出して、4人で行けそうなクエストを探しだした。

 中島は槍が武器の接近戦担当なので、前衛が荒木と中島、後衛が山田とモニカとなる。

 荒木としては、山田のレベルが低くても、そこそこ戦えると考えているようだ。


「中島、クエスト42辺りどうよ?洞窟にモンスターが住み着いているから追い出して欲しいってやつ」


 中島もアダムを出して内容を確認する。


「Hey、アダム!クエスト42を見せて!……近場の簡易ダンジョンか。それほど苦戦しないかな。たぶんボスはゴブリンメイジ辺り」


「よし、俺らで引き受けちまおう」


「(相変わらず強引だな、荒木。)俺が足手まといになっても文句は言うなよ」


 モニカもアダムで確認していた。

「たぶん大丈夫よ。山田は後衛だからダメージ受けづらいでしょ。回復はあたしが出来るし。それより、ダンジョンの雑魚モンスター、たぶんキモいのよね……」


「キモいって、どういうことよ?」

「蜘蛛とかコウモリとか。可愛くないのが多いの。なるべく、あたしに近づけさせないでよ」

「まあ、女の子はそんなもんだよな。頑張るわ」


 山田は、ゲーム初日の自分に無茶を言うなと思ったが、山田からすると、モニカのルックスは可愛い。メルヘン趣味はともかくとして。

 そんな女子から頼まれては、引き受けるしかなかった。



「山田、アダムに通知が行ってるからOKしといて」


 荒木は自信があるらしく、既にクエストの予約を入れていた。

 クエストの依頼はパーティーで引き受ける形式だ。他のパーティーと揉めないよう予約式で、予約から制限時間内にクリア出来ないとキャンセル扱いとなり、しばらく再挑戦が出来なくなる仕組みだ。

 なお、モンスターもリアルタイムで動いているため、ボスも含め、敵の数と種類は明確ではない。


 山田たちは、洞窟のモンスター退治の依頼を引き受けて街の外に出た。


 ◇


「(そういや、ボーナススキルを試してなかったな。)Hey、アダム!」


 山田のボーナススキルは、常時発動のパッシブスキルだが、今まではオフにしていた。パーティが4人なので、少し試してみることにする。


 荒木が山田に質問する。

「なにやってんだ、山田?」

「ちょっと試してみたいことがあってな。先に少し雑魚モンスター狩りたいんだけど、良いよな?」


「まだ時間あるしな。そういや山田、まともに攻撃されたことなかったな」

「あー、それもある。少しは防御する練習もさせてくれ」


 中島が周りを見回して、手頃なモンスターを見つけた。


「あの辺に突っ込もうか、荒木。デュラハンと……インプが6体かな?」


「インプは飛んでるから、俺と中島的にはウザいが、山田には、ちょうど良いかもな。山田、インプのヘイト集めて戦ってみ。デュラハンは俺と中島でやる」


「分かった。あのサイズだし大したことねえよな?」


 インプは小型の悪魔で、戦おうとしている6体は30センチ程の大きさだ。


「モニカもいるから問題ねえよ。インプは魔法攻撃ばっかだから盾で受けろ。あとモニカ、デュラハンに犬猫を頼むわ」


「犬がララで、猫がジジ。いい加減、名前で呼んでよ荒木。召喚!来て、ジジ、ララ」

「ナイト・シールド!」

「ランサー・シールド!」


 モニカは犬と猫を召喚して、荒木と中島は盾を出して準備した。


 中島の盾は、忍者サカモトと同じく、腕に付けるタイプの小型の円盾だ。

 CFUの長剣の長さは1メートルが基本で、槍は倍の2メートルが基本だ。荒木と中島の武器も同程度。

 CFUの武器は魔力で攻撃する設定だが、見た目通りの重さは感じる。槍は両手のほうが扱いやすいため、腕付けの盾が基本となる。


 荒木と中島はデュラハンに突っ込んでいき、モニカは犬と猫をけしかけた。


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