表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/43

山田、街の外に出る

 山田は、ガチャで入手したスキルを荒木に伝えた。


「レベル1が、スモール・シールド、ウォーター・ブレイド、サンダー・チャージ。レベル2が、ファイアー・ブレッツ、サンダー・スピアー、サンダーボルト」


「いい感じだな。そんじゃ早速、試し撃ちに行こうぜ。あとギルドに加入申請を出しといて。荒木の紹介と書いとけば大丈夫」

「本当に二人だけで大丈夫かよ?」


 山田は荒木に案内され、初心者向けの草原に向かうために街を出た。

 ボーナススキルは、常時発動型のパッシブスキルだったが、デメリットもありそうなので、とりあえずオフに設定している。


 なお、CFUの世界は、現実世界の生活習慣に関わらず、快適にプレイ出来るよう、常に昼になっている。

 地区JP-08の周辺は、東京都における過ごしやすい気候、春の気温と湿度をイメージして設計されている。特にイベントが無い限り、天気は晴れで適度に風も吹く。



 山田と荒木は、モンスターのいる草原についた。


「先に盾を出しとくか。ナイト・シールド!」

「スモール・シールド!」


 CFUは、発声によってスキルを発動するのが基本だ。盾はスキルによって出して、必要ないときは消せる。


 山田は小さい円盾、荒木は少し大きめの騎士用の盾を出した。

 荒木は最初に剣士スタイルを選択したため、大きめの盾を出せる。武器は長剣、服装は軽装の鎧だ。


「あそこにいるゴブリンから狩るか。あのサイズは雑魚」


 山田と荒木から少し遠めの位置に、ゴブリンが5体いた。

 全て小型で人間の半分くらいのサイズ感。小さな棍棒を持っている。


「もう少し近づいたら合図するから、距離感を覚えるために、山田から仕掛けろ。襲ってきたときは、俺がフォローするから大丈夫」


 山田が中距離から魔法で先制攻撃を仕掛け、それから荒木が突っ込んでいく流れで戦うことになった。

 荒木は、山田が仕掛けやすいスキルを伝える。


「ファイアー・ブレッツは、勝手に連射して、出しながら杖を動かせる。それ使ってみな……今だ!」


 ゴブリンにある程度まで近づいた山田は、杖を向けてスキルを発動する。


「ファイアー・ブレッツ!」


 山田の杖から、火球が10連続で発射された。ブレッツ(bullets)は、弾丸を意味する言葉だが、野球ボール程の大きさはある。

 ゴブリンに3発命中させて倒せた。


「山田、わざと1体残すからサンダー・スピアーで狙え!」


 荒木が残りのゴブリン達に突っ込んでいく。ゴブリン達が飛びかかってくるが、あっという間に3体を斬り伏せた。

 残りの1体には、あえて攻撃せずに盾で払いのけながら防御に徹する荒木。


「当たるか?サンダー・スピアー!」


 山田は、杖から槍状の電撃攻撃を放った。長さは1メートル程度。

 狙い通りゴブリンに突き刺さって一撃で倒せた。


「小さいから少しやりづれえかな。人間サイズを探そう。あ、そうだ、ゴブリンと言っても色々いるからな。強さもピンキリ。魔法を使うゴブリンメイジもいる」



 荒木は、人間サイズの弱いモンスターを探すため、付近を見回している。

 任意発動型のスキルを使うと、スキルゲージを消費するが、時間経過で回復する。

 ダメージを受けると、体力に相当するライフゲージが減り、ゼロになると敗北。こちらも時間経過で回復する。


 毒の攻撃などを受けていない限り、休憩を挟むことで全快の状態を続けられる。

 勿論、敵のほうから襲ってこられると、回復が間に合わないときもある。特にライフゲージの回復速度は遅めである。


「あそこにいるグールとスケルトンにするか。ウォーター・ブレイドを試してみな。杖を振った軌跡から、水の刃が飛んでく感じ」


 ウォーター・ブレイドは、発声が完了する直前1秒程度に杖を振った軌跡から、扇状の水の刃を飛ばすスキルだ。

 山田は、縦、横、斜め、いろんな出し方を試しながら、荒木と協力して全滅させた。


「よし、この調子でもう少し狩るぞ、山田」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ