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三日月古物店の不思議な道具達  作者: たくみん
第一章 「三日月古物店」
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第二話 「長財布 中編」

 あれから一晩が経ち、今日は朝から母方の祖母の家に出かける事になった。

 祖母の家は車で2時間とかなり遠い、そのうえ山の近くで交通の便も悪いので会うのは基本年に一、二回程だ。


 向かっている車内で昨日のお小遣いが偶然か考えていた。

 昨日は貰えた事に驚いていたが、もし今日も同じ様な事が起こればこれは偶然じゃない事が証明出来ると思う。 

 そんな事を考えていると祖母の家が見えて来た。

 祖母の家はかなり古く、五右衛門風呂や井戸がそのままあったり、家自体は木造の平家で外見は所々ボロく、どこかあの古物店を思い出すが、中はリフォームもしているので結構綺麗になっている。

 家に着くと祖母が

 

 「いらっしゃい

  久しぶりやね〜」


 と、ハキハキとした声で出迎えてくれた。

 前に会ったのが正月だったので、久々に会えて嬉しかったんだと思う。

 そんな祖母はこの広い家で曽祖母と二人で暮らしている。

 祖父は僕が小さい頃に、曽祖父は生まれる前には亡くなっているので記憶には全く無い。祖母はまだまだ元気だが曽祖母は今年で99歳と、色々と心配になる年になっている。


 まずは挨拶の為、廊下を渡った先にある別館の様な造りの曽祖母の部屋に向かう。

 ノックをして入ると着物姿で読書をしている曽祖母がいた。

 曽祖母は高校生の僕から見ても、背が低く体も細いが、この歳で寝たきりにはなっていなく、むしろ毎朝畑仕事をしているのが驚きだ。

 ついさっき「心配にはなる」と言ったがこの感じだとまだまだ生きていそうだと思っていると


 「遠くまでよく来たね

          蓮くん。」


 と祖母に似ているが落ち着いている声で挨拶があった。

 今年から高校になった事もあって色々な話をした、学校の事や最近あった事、あの古物店の事も話すと


 「あぁ……」


 と急に曽祖母が少し驚くと何か悲しそうな顔をするので、何かあったのか聞いてみようとすると


 「ご飯よー‼︎」


 と呼ばれたので聞く事が出来ず、後で聞こうと思い、居間に向かおうとすると


 「そうそうこれお小遣いね

  皆んなには内緒ね

  それじゃあ先に行っといで」


 とまたお小遣いを貰い、先に居間に向かった。

 

 昼食を食べ終わるとこの日は近所の川で釣りをし、あの時、聞こうと思ってた事を忘れたまま次の日を迎えた。


 朝、と言ってもまだ太陽が出てないぐらいな時に、廊下から歩いている音が聞こえ、それで目が覚めると曽祖母が畑に向かおうと準備をしている所だった。

 

 まだまだ眠いので自分は二度寝にする事にしたが、これが曽祖母と話せた最後になるとも知らずに……

 

 次に目が覚めると昼を過ぎており、母に叩き起こされ居間に向かうと、卓上には4人分の食器が並べられていて、曽祖母がまだ帰ってきていないようだった。

 たまに帰りが遅い時があるそうなので気にせず、この日も釣りをしてそのまま夕方になり帰る時間になった。

 まだ曽祖母が帰って来ていなかったので祖母から

 

 「帰りに畑を見てきてほしい」と言われ、その時に祖母からお小遣いをもらい、それから畑に寄って帰る事になったが、どうやら畑にはいない様でだったのですれ違ったかもしれない」と伝えるとそのまま帰る事にした。


 帰りの車では全く眠れず家に帰ると、疲れがドッと出てきて風呂に入るとご飯も食べずにすぐに寝る事にした

  

 次の日、急に大声で起こされた

 

「起きなさい‼︎」


 寝坊でもしたのかと思い急いで時計を見るとまだ6時にすらなっていない。

 少しイラッとしたが母の顔をみると少し泣いていた様で続けて、

 

 「ひいおばあちゃんが亡くなった」

 

 思わず「えっ‼︎」と声が漏れると頭が真っ白になり、急遽

母は祖母の家に行く事になり、自分はとりあえず学校に行く事になった。

 その日の授業は何も頭に入らず、あっという間に学校が終わり、すぐに帰った。

 家に帰るとバタバタとしている母がおり、着替えたらすぐ行くと言う事で着替え、祖母の家に向かった。

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