王太子でもわかる、婚約破棄をする時に確認しなければならない十の項目
0.導入
王太子「婚約破棄なのだ。王太子はこの卒業パーティーで婚約破棄して聖女と結婚するのだ。真の愛に目覚めたのだ」
悪役令嬢「ヒィィ」
部下「お待ち下さい。殿下、その婚約破棄は慎重に行うべきかと」
王太子「何故なのだ?」
部下「過去に多くの王太子が婚約破棄でミスをして破滅したからです。私が婚約破棄で確認すべき十の項目をまとめてきましたので、それを確認しながら婚約破棄しましょう」
王太子「わかったのだ」
1.相手の確認
部下「まず確認すべきは、目の前の相手が本当に貴方の婚約者であるかです。女装した部下や兄弟だったり、赤の他人ではないかですね」
王太子「自分の婚約者を認識できない訳がないのだ」
部下「それが居るんですよ。私が調べた所さん、かなりの数の王太子が別人を婚約者と誤認して婚約破棄しています」
王太子「お前がそう言うなら確認するのだ。おい、お前は本当に婚約者なのだな?」
悪役令嬢「は、ハイ!私は正真正銘貴方様の婚約者の悪役令嬢、八月八日生まれ、学生証のナンバーは114514です!」
2.婚約状態の確認
部下「間違いなく本人の様ですね。では、次の項目です。現在お二人が婚約状態にありますか?」
王太子「お前もしかして王太子を馬鹿にしてるのだ?」
部下「申し訳ありません。ですが、婚約がとっくに解消または破棄されてる、またはそもそも婚約してないのに、それに気づかない王太子も数多く存在したのです」
悪役令嬢「今の今まで婚約者でしたぁ!そして、婚約者である事に慢心して悪事に手を染めてましたぁ!」
王太子「なのだ」
3.力関係の確認
部下「では、次。力関係の確認です。王家は本当に国のトップですか?婚約者の実家の方が強かったりしませんか?」
王太子「いい加減にしないと、婚約者より先にお前を不敬罪で訴えるのだ」
悪役令嬢「私の公爵家は、戦力も生産力も王家の半分以下です!そうでないと、国が成り立ちません!」
4.時と場所の確認
部下「次です。卒業パーティーの最中に婚約破棄をする訳ですが、これはタイミング的に正しいですか?第三者のいない密室で婚約解消した方が波風立たないですよ?」
王太子「それについては考えた上での行動なのだ、時間を与えたらコイツが証拠を消そうと動いていたのだ」
悪役令嬢「全くもってその通りです!今日を逃していたら、私は証拠を消してシラを切っていました!」
5.権限の確認
部下「次。王家と公爵家の政略結婚を殿下の独断で破棄するのは不味いのです。その辺どうなってますか?」
王太子「父上は戦場に向かう前に『私が留守の間に婚約者が動いたならお前が裁け。』と言ってたのだ。やった事の内容次第で婚約破棄もオッケーだと」
悪役令嬢「こんなの生殺しですううう!裁くなら一思いにやって下さいいいい!!」
王太子「後半分だから我慢するのだ」
6.罪の重さと証拠の確認
部下「はい次。婚約者は婚約破棄に十分な罪を犯し、その証拠はありますか?」
王太子「聖女が使う杖を魔力がチャージされてない偽物とすり替えたのだ。本物の杖をこいつが肌身離さす持ってたのだ。そのせいで魔物に大勢の人が殺されるかもしれなかったのだ」
悪役令嬢「あの時は私が本物の聖女だと思ってあんな行動しちゃいましたぁぁぁぁ!!!」
7.真実の愛の真実
部下「偽物の杖でも勝利した聖女様パねえ。次は婚約破棄に伴う殿下と聖女様の結婚について確認します」
王太子「どんとこい超常現象なのだ」
部下「先程、殿下は真実の愛に目覚めて聖女と結婚すると言いましたが、それは本当に真実の愛ですか?」
王太子「婚約破棄の為の証拠が集まった時、女神が降臨して聖女と結婚しなさいと言われたのだ。聖女本人も了承したのだ」
悪役令嬢「これこそが伝説の真実の愛!か、勝てるわけありませーん!」
8.個人の実力の確認
部下「ちなみに聖女様は妊娠してません。処女です。次は、そこで泣いてる元婚約者個人の実力の確認です」
悪役令嬢「わ、私ですか?」
部下「実はこの国を守る存在だったりしませんか?貴方がいないとこの国が衰退するみたいな事ありませんか?」
悪役令嬢「そんなんあったら、私こんな状況になってません!」
9.悪役令嬢の痛いファンの確認
部下「ふむ、自覚しているチートは無い様ですね。しかし、まだ油断は出来ません。こーゆー女には痛いファンがついてる可能性があります」
王太子「どんな奴なのだ?」
部下「超大国の皇帝とかループ魔法使える悪魔とか幸運を司る精霊とかですね。超大国については、現在我が国が大陸一なので問題無いとして、悪魔や精霊がやらかしたらここまでの頑張りが全部パーです」
王太子「だけど、居るかも分からない、ループとか運とかの使い手をどう対策するのだ?」
部下「ご心配なく。私はハイエルフなので、精霊とは会話できます。…よし、どうやら精霊は今回の件に関わって無いみたいです。で、この精霊達に悪魔の警戒してもらえば死角は無くなりますね」
悪役令嬢「人生オワタ\(^o^)/」
10.民の信頼の確認
部下「最後は民との意識の違いは無いかですね。我々の常識が他者にとっては非常識なんて事は割とあります」
王太子「今回の婚約破棄で、国民の信頼を失い国が衰退するかもなのだ?」
部下「はい、なので民意を前もって調査しておきました。幸い、王族の婚約破棄があったとしても、それで人心が離れるのは僅か。殆どの庶民は景気と治安しか興味ありません」
悪役令嬢「専制君主の時代の庶民はそんなもんですううう!」
おさらい
・婚約者でない相手に婚約破棄してはいけない。
・婚約関係が終わった後に婚約破棄してはいけない。
・立場が強い相手に婚約破棄してはいけない。
・非常識なタイミングで婚約破棄してはいけない。
・保護者達に無断で婚約破棄してはいけない。
・理由や証拠無しに婚約破棄してはいけない。
・悪い女に騙されて婚約破棄してはいけない。
・チートキャラを婚約破棄してはいけない。
・チートキャラの友人も婚約破棄してはいけない。
・民意を著しく損ねる婚約破棄をしてはいけない。
部下「皆さんはこれらのルールを守って、正しく婚約破棄してくださいね」
王太子「あまり頭良くない王太子にも出来たのだ。君達も出来ると信じてるのだ」
悪役令嬢「この様に、婚約破棄は一歩間違うと国が滅ぶ可能性に満ちてます。だから、やらないに越したことは無いですが、どうしてもやる時はこの十項目を忘れずに!」
三人「「「またねー!!!」」」
『婚約破棄の参考になった!』
『まだ確認すべき事がある!』
その他感想ジャンジャンバリバリお待ちしてます。




