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最強への道 〜異世界で神になるまで~  作者: 土沢天樹
第3章 青年期 学院編
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第42話 解説

 まず、俺が魔族の殺気に気づき、魔族が飛び出して来るまでを再生する。

 そのままの再生速度で再生すると、もちろん皆反応出来ないため、超スローモーションで再生している。


「最初に魔族からの殺気が出たのは分かったな。この時、俺はすぐに"知覚者"を発動し、敵の正体や強さを知ろうとした。"知覚者"はそういうのを知ることが出来るスキルだからな。だがその時は知ることが出来なかった。おそらく俺と同じく、秘匿系のスキルを持っていたんだろう。俺は頭の中で素直に敵の正体が分からないと思った瞬間、殺気に余裕が出た。それは分かるか?」


「わかります」


「分かるよ」


「分かりやすいな」


「さすがウィンの感覚だね」


「なら次へ行く。この時点で、俺はやつが俺の思考を読んでいると踏んで、思考を分離した。表層思考と深層思考だ。表層思考を魔族が読んでることが分かり、深層思考で魔族を倒す算段を考えた」


「思考を分離したのか。なんだか変な感覚だな」


「違和感が凄いです」


「ウィンの頭の中はどうなってるのかな!?」


「ウィンはほんとに規格外だよね」


 こいつら好き勝手言いやがって。


「そっからクラスの皆を逃がし、その間時間を稼いだ。表層思考で焦ってるように見せかけて、お前らが遠くに行くのを待ってたんだ。それまでは影響を考えて本気を出せないからな。あとそれと同時に、戦う位置を、荒野の端から中心に移動していたんだ」


「なるほど。魔族が余裕の顔をしているのがよく分かります」


「お前はそんなことまで考えていたのか。俺が足止めだなんでおこがましがったな……」


 おこがましいとは言うわけがない。

 あの場では教師として当然の行為だ。


「さすがウィンだね!」


「でもウィンは勝てる算段はあったのかい? 剣は魔族に効いてないようだけど」


 エザルに至極当然な質問をされる。


「それはあった。まぁ、見てれば分かる。俺は適当に時間を稼ぎ、お前らが遠くに行ったことを確認し、結界を張った。実はこの魔族、おそらく邪神と繋がっていた」


「なんで分かったの?」


 レジュが訊いてくる。


「あぁ、それは勘だな。あとこいつの再生してるところを見てみろ」


 今現在エクスプロージョンを放って、魔族が再生している映像がみんなの頭に流れているはずだ。


「キモイですね。なんですこの再生の仕方は」


 正直な感想をありがとうジュリ。


「だが違和感を感じるな。なんだか普通はこういうふうに再生するのか?」


「さすがビゲルは違和感を感じたか。そう、おかしい。エクスプロージョンでバラバラになった肉体は集まるというよりも1つの体の破片から体が増えているように見える。つまり、再生というより増殖だな。何か別の所から肉体を持って来てるのではないかと俺は推測した」


「別の所から?」


 レジュはイマイチ分からないみたいだ。


「おそらく邪神のところからだな。あと魔族が再生する時俺はそんなスキルを"知覚者"で見つけることは出来なかった。本来であればそんな再生方法は不可能なんだ」


「なるほどね。それで邪神なのか」


 エザルも理解力は高いようだ。

 俺は頷いて肯定する。


「でも結界で魔族と邪神の繋がりは切れるんです?」


 ジュリが訊いてくる。


「まぁ、それも賭けだった」


「ウィン様らしいです」


 ジュリが苦笑いしながら言う。


「それにしてもこの魔族馬鹿だよな。俺は戦ってる時に表層思考で剣を使いながら治癒魔法を使っているって思ってる所があるんだが、そのあと俺は表層思考で剣で斬り合いながら魔法は使えないって思ってるんだよ。矛盾してるのに魔族は全く気づいてねぇぜ」


「まぁ、戦闘中だからな。俺だったら気づかないかもな」


「ウィンはこんなに早く剣を交えながら魔法を使えるの?」


「もちろん。本来ならこの魔族は俺の敵じゃない」


「言うねぇ〜」


 レジュがつついてくる。

 腹立つが俺をおちょくる顔が可愛いので許すとしよう。


「他に質問はあるか?」


「じゃあ私がしていいかい?」


「いいぞエザル」


「君はどんなスキルや魔法を使えるのかを聞きたいな。ステータスを見してはくれないかい?」


「まぁ、別にいいぞ」


 皆の脳内にステータスを出す。


---------------

ウィンバルド・スフィンドール

人間

15歳

職業:Sランク冒険者、学生

HP:69962

MP:72561

攻撃力:69741

俊敏力:69208

体力:70765

魔攻撃:71902

防御力:70739

魔耐性:71004

魔法:ステータス魔法(最上級)、火魔法(最上級)、結界魔法(最上級)、水魔法(最上級)、土魔法(最上級)、光魔法(最上級)、雷魔法(最上級)、風魔法(最上級)、空間魔法(最上級)、治癒魔法(最上級)、転移魔法(最上級)、氷魔法(最上級)、生活魔法(最上級)、召喚魔法(最上級)、隷属魔法(最上級)、神聖魔法(最上級)、消滅魔法(最上級)、創造魔法(最上級)、精神魔法(最上級)

オールウェイズスキル:なし

ユージュアリースキル:なし

オーフンスキル:なし

サムタイムズスキル:"言語者""全身強化""支配者""空間操作"

ネバースキル:"知覚者""魔法達人""超越者""偽装者"

---------------


 俺のステータスを初めて見たジュリ、エザル、ビゲルの3人は口が閉じられなくなっている。


「ウィンまたステータス上がったね」


 ステータスを見たことがあるレジュは、淡々とコメントしてくる。


「そーだな。ゴキブリのスキルのおかげだな」


「そ、そう言えばスフィンドール。お前"知覚者"て表層思考で思ってたよな。邪神に知られて大丈夫なのか?」


「まぁ、大丈夫だろ。知られたところで詳しい効果は分からないだろうし」


「そうか? まぁ、それならいいか」


 やはりビゲルは騎士なだけあって精神的に強いな。


 だがエザルとジュリはそうはいかないらしく、まだ呆然としてる。


 仕方ないから待ってやろう。










「もう大丈夫か?」


「はい、何とか……」


「ごめん。王子としてあるまじき失態だよ」


 俺の前でジュリとエザルがシュンとしている。


「まぁ、仕方ない。規格外な俺の方が悪いさ」


「うぅ〜 。ウィン様は優しいです。お姉様の次に」


「そっすか」


 やはりいつものジュリなことには変わらないようだ。


「そう言えば先生」


「ん? なんだ?」


「この後の遠足ってどうなるんですか?」


 遠足のことが気になるようで、レジュはビゲルに質問する。


「一応学校と連絡はとった。それによると中止らしい。明日の朝には王都に帰るぞ」


「えぇー。残念〜」


 まぁレジュは楽しそうにしてたもんな。


「すまんな。学校側の都合でな」


「別に先生が謝る必要はないですよ」


「そ、そうか」


 ビゲルがレジュに一瞬見蕩れて目をそらす。


 よし、後でビゲルは殺す。


「よし、もうこれで今日は寝ろ。もう遅い」


「「「「はい」」」」


 そして各々の部屋へ行き、布団に潜り込む。


 俺は余裕だったとはいえ疲れていたため、一瞬で意識を落とした。

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