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最強への道 〜異世界で神になるまで~  作者: 土沢天樹
第3章 青年期 学院編
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第41話 体感

「で、何があった?」


 今ここにはビゲル、テスタ、レジュ、ジュリ、エザル、ガンツしかいない。

 ここは宿の一室。学院が借りたものだ。他の人は別の部屋で寝ている。


「それを話すには、まずあることをする。この場にいる全員にだ。まぁ、テスタとレジュとガンツはもう済んでるが。あと今から聞くことは他言するなよ。いいな」


「分かりました!」


「大丈夫だよ」


 ジュリとエザルは即答する。


「ビゲルはどうする? 立場上、言うなというのはきついだろうが、どうか頼む。そして今からやる行為は、実質俺の配下になるって言うことだ。教師としては嫌だろう。エザルはどうだ? 俺の配下になるのは嫌か?」


「私は問題ないよ。王族だからといってそんなにプライドは高くないさ」


「……分かった。私も同意しよう。これは仕方ないことだ。上には適当に言っておこう」


「2人とも助かる。じゃあやるぞ」


 俺は3人の前に手をかざし、スキルを発動させる。


「よし、終わったぞ」


「変化は分かりませんね」


「何か変わったのかい?」


「大きく何か変わるってことは無い。俺が今使ったのはスキルの"支配者"だ。このスキルは他人や動物を支配して、強化することが出来き、スキルを与えることができるというスキルだ」


「じゃあ私たちはスフィンドールの支配下に置かれたということだな?」


「まぁ、そういうことになる。だからといってこれといった制約はないぞ。俺の命令を断れないことと、俺を傷つけることが出来なくなるくらいだな」


「変な命令をしないでくださいよ。私はお姉様の命令の方が優先です。」


「ジュリちゃんに命令なんかしないよ!?」


「分かった。善処する」


「ありがとうございます!」


「私を無視しないでよぉ〜」


 レジュが涙目で抗議する。


 ごめんなレジュ。いじられるレジュは凄まじく可愛いんだ。許してくれ。


「で、なぜその"支配者"で私たちを支配下に置いた理由は?」


「"支配者"の説明はしただろう。俺はスキルを与えることが出来るんだ。それでお前らには"偽装者"を与えた。"偽装者"は自身に関わることを秘密にでき、他人に偽れるというスキルだ。どうしてもこのことは秘密にしたい」


「私たちが口外しないと誓っても信じてくれないのか?」


「いや、そうじゃない。もっと別の理由だ」


 そして俺は邪神の話をする。

 反応は三者三様。ジュリとビゲルは顎が外れるほどに驚き、エザルは顔を青くしている。


「こりゃ驚いた。負の感情とは……」


「私は負の感情を抱かない自身はありません。お姉様関連では」


「……戦争など最もしてはいけないではないか……」


「そうだ、エザル。戦争が1番負の感情が発生する」


「父上に報告を……」


「ダメだ」


「っ!?」


「それはそうだろう。国王でも負の感情を抱かないとは限らない。それに国王に変なスキルをかけるわけにゃいかんだろ。お前でもギリギリなのに」


「たしかにそうだね…。すまない、ちょっと動揺してしまった」


「とりあえずスキルのことは分かったな。それでは本題に入ろう。今日の魔族との戦いの件だ」


『ごくっ』


 皆気になるようだ。


「最初にやつに気づいたのは殺気だ。殺気の感じでやつが何であるかが何となくわかった。最初にやつが殺気を出し、俺がそれに気づいた時、その殺気に動揺が混じった。その後に俺が『もう"知覚者"を発動しているのだが、敵が何であるかが全くわからない。』と思った時、やつの殺気に余裕が混じった。それで思考を読んだことを確信し、思考を分離した。表層思考と深層思考に分けた」


「「「「ちょっと待って(ください)、早速分からない(です)」」」」


 レジュ、ビゲル、ジュリ、エザルの声が重なる。

 説明の仕方がよくなかったようだ。


「だろうな。ん〜やり方が悪いな。よし、こうしよう」


 俺は"知覚者"と"支配者"を特殊な使い方をする。


「な、なんですかこれ? え? 殺気? うぉ!? 魔族? え? え?」


「なになになに!? え? 待っ、ちょっ!」


「うぉ!? なんだ? お? え? 痛て! いや痛くない。は? へ?」


 過去感覚共有だ。

 俺が過去に体験したことを、対象の脳内に送り、その当時の感覚を共有されている。痛覚だけは一応無くしてある。

 だがその時俺が感じたことは全て理解出来る。

 そこにいちいち俺が解説を入れれば、今回のことを理解できるだろう。


 ちなみにテスタはやったことがあるので、全く動揺せずに見ている。

 ガンツはやったことは無いはずだが、静かに見ている。つーか影薄くないかこいつ……。

 俺が許可出さない限り一切喋らないし。


 それはいいとして、みんなが脳内で見ている映像を、一旦最初に巻き戻し、止める。


「これは俺が過去体感したことを、お前らが体感出来るものだ。痛覚以外の感覚は俺が感じたものとほぼ同じだ。痛覚は再現してない」


「す、凄いです」


「視覚はそのままなのにウィンの声は聞こえるね」


「傷つけられると痛いと勘違いしてしまうな」


「それは我慢してくれ。さぁ、再生するぞ。大丈夫か?」


「「「「大丈夫(です)」」」」


 ガンツ以外が仲良く返事をした。

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