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最強への道 〜異世界で神になるまで~  作者: 土沢天樹
第3章 青年期 学院編
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第34話 仕組み

「ねぇねぇウィン、聞いてる?」


「聞いてる聞いてる」


 俺は今レジュと王都をデートしている。

 付き合い始めてから初めてのデートだ。


 レジュは俺の腕にくっつきながら楽しそうに話をしている。笑顔が可愛すぎて、後光が見えるのは俺だけだろうか。


「フフフフフ」


 嬉しそうで何よりだ。


 レジュと一緒に小洒落た喫茶店に入る。人気の店のようで、人は多い。


「いらっしゃいませー。2名様ですね。こちらへどうぞー」


 元気はつらつなウェイトレスに案内される。


「ウィンは何食べる?」


「俺は群青熊のホルモン焼きにする」


「群青熊美味しいよねぇ〜。私はフレル肉のサンドイッチにしよーっと」


 先程のウェイトレスを呼び、注文をする。

 ちなみに群青熊はCランクの魔物で、そのホルモン焼きは絶品だ。


 フレル肉はフレルという家畜化された動物のことだ。

 フレルは奇妙な造形をしているが、その肉はクセがなく、フレル肉のサンドイッチは万人に好かれるドートミール王国の郷土料理だ。


 しばらくして料理が来ると、レジュは目をキラキラさせて、一心不乱に食べ始めた。


「レジュ、ゆっくり食べな」


「ばっべごべぶぼいおいびいぶばぼん(だってこれ凄い美味しいんだもん)」


「ちゃんと飲み込んでから喋りなさい」


 これもレジュの可愛い所なんだけどな。

 食べ終えて、会計を済ます。


「もう、私の分は払うのに」


「彼女に奢りたくなるのは男の性だ」


「このエゴイストめ」


「ハイハイ」


 しばらく道を散歩する。


「そう言えばウィン」


「ん?」


「訊きたいことがあるんだけどいい?」


「なんだ?」


「……どうしてスキルのことをあまり教えてくれないの?」


「……その理由を教えるには、お前にあることをしなければならない。それでもいいか?」


「痛いこと?」


「いや、痛くない。別に副作用も何も無い」


「ならいいよ。今すぐここでやってくれても」


「……分かった。」


 そう言って、2人で人目のつかない路地に入り、レジュの頭に手を乗せた。


 レジュの体が光り、すぐに収まる。


「これで終わりだ」


「何も変わった感じがないよ?」


「それでいい。いいか、今から話すことは誰にも言うなよ。これを知ってるのはテスタだけだ。いいな、くれぐれもだぞ」


「う、うん。分かった」


「よし、じゃあ何から話すか。……お前なんで魔物がいるか知ってるか?」


「それはもちろん邪神が生み出してるんでしょ」


 これはこの世界の人なら誰でも知っている常識。

 邪神は現在封印されていて、直接人を殺せないため、魔物を生み出し、間接的に人を殺しているのだ。


「あぁ、そうだな。じゃあ邪神はなにでできてると思う?」


「なにで? どういう意味?」


「……邪神はな……負の感情でできている」


「負の感情?」


「人が抱く悲しみや怒り、恨み、憎しみ、恐怖などの感情だ」


「でもそれでできてるってどういうこと?」


「邪神は人々の負の感情が増せば力を増し、負の感情が減れば、力を弱める。極論を言うと、全ての人が負の感情を抱かなければ、邪神は消滅する」


「っ!? なら負の感情をなくせば!」


「それは無理だろ。負の感情をなくすなんて不可能だ」


「た、確かに……」


「それとこれが1番厄介なことだが、邪神は負の感情の中身によって、自身の性格も変わるんだ。恐怖を抱く人が多ければ、恐怖を与えるような残忍な性格になり、悲しみを抱く人が多ければ、悲しみを与えるような薄情な性格になり、憎しみを抱く人が多ければ、憎しみを抱かせるような暴虐な性格になる。そしてより人々の負の感情が深ければ深いほど、邪神の性格もよりしつこくなっていく」


「…邪神の全てを左右してるのは全て人ってこと?」


「そういうことだ。邪神自身に意思はない」


「……そんな……ありえない……」


「邪神はその溜め込んだ負の感情を使うことによって魔物を生み出すんだ」


「……間接的に人が魔物を生み出してるんだね」


「不本意ながらな。それがこの世界の"仕組み"だ」


 腹立たしいもんだ。いくらチートになろうとも、"仕組み"は変えられない。


「で、でもそれとスキルを隠すのはどういう関係があるの?」


「負の感情を抱くものが知っている情報は、全て邪神の知ることとなる」


 これが今までほとんどの人にスキルのことを教えなかった理由だ。

 国王やイルゾ、エザルに教えたかったが、これはスキルで隠蔽してから話さなければならなかった。

 さすがに王族に訳の分からないだろうスキルを使うわけにはいかない。


「っ!? じゃあ!」


「そう、スキルを人に知られれば、邪神にスキルを知られてしまうんだ」


「……私は知っちゃダメだったの?」


「負の感情を全く抱かない人間はいない。お前もそうだ。だから1人だけでも知られてはいけなかった」


「……そうだね。私も負の感情を抱かないとは言いきれないし」


「そういうことだ。済まなかったな、今までずっと言えなくて……」


「いや、いいよ別に。仕方なかったんだもん」


「そう言ってくれると助かる」


「でももう私はウィンのスキルとか知っていいんだよね! 教えてよ!」


「あぁ、いいぞ」


 人にスキルやステータスを教えるのはテスタ以来だな。

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