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最強への道 〜異世界で神になるまで~  作者: 土沢天樹
第3章 青年期 学院編
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第31話 未確認魔物

少しだけ短いです。

 カリ高に入学してから初めての土曜日となった。

 学校は休みのため、王都にある冒険者ギルドに向かっている。


 冒険者を副業としてる人もいるため、ずっと冒険者活動をしなくてもこれといった問題もないのだが、Sランク冒険者である限り、さすがに5年近く何もしないというのはどうかと思い、こうしてギルドに向かっているのだ。


 ギルドに入り、早速受付に向かう。

 ギルドの中は朝だからなのか冒険者でごった返している。


「おはようございます。本日はどういたしましたか?」


 受付嬢は茶色の髪を肩で短く切りそろえた可愛らしい人だ。


「依頼を受けに来ました」


 そう言って冒険者カードを渡す。

 受付嬢は一瞬怪訝な顔をしたが、冒険者カードを受け取った瞬間、目を見開いた。


「Sランク冒険者のウィンバルド・スフィンドールさんですか!?」


「はい、そうです」


 受付嬢の大きな声が聞こえたのか、ギルド内が一瞬だけ静まり返り、すぐにざわめきが広まった。


「今Sランクって言ったか?」


「ウィンバルド・スフィンドールっていったら国王公認のSランク冒険者じゃねぇか!」


「ガキだって噂は本当だったんだな」


「ほんとに強いのか?」


「やめとけ手を出すと縛り首だぞ」


 色々な声が周りに広がる。


「す、すみません。声が大きかったですね」


「いえ、気にしませんから」


「そう言っていただけると助かります」


「それで依頼の方を……」


「あ、そうでしたね。えーと、ただいまSランクの依頼ですと、こちらのふたつですね」


 2枚の紙が出された。


---------------

討伐

依頼主:ドートミール国王エドワールド・フォン・ドートミール(間)

ランク:S

討伐種:不明

討伐数:1体

討伐場所:ランドン山脈

依頼料:2500000モン

備考:ランドン山脈にいる謎の魔物を討伐して欲しい。これまでの被害は、冒険者が13名死亡。生き残りの冒険者も精神が崩壊している。討伐できない場合でも、情報だけでも持ち帰って欲しい。

---------------


「国王直々の依頼なんて滅多にないでしょ」


「はい、そうですね。これは異例です」


 国が依頼を出す時は普通国王の名前を出さない。

 それほど危機感を抱いているということだろう。


「難しい依頼ですがどうしますか?」


「今日はこれだけ受けます」


「もう一方は?」


「来週また受けます。」


「ありがとうございます。これで凍結まっしぐらの依頼が無くなりそうです」


「それは何よりで」


 それじゃあ向かうとしますか。

 ランドン山脈は行ったことがないため、もちろん徒歩で向かう。


 王都の門を出て、ランドン山脈に向けて走る。


 ランドン山脈は王国の北方に位置する山脈で、沢山の未確認魔物が多数生息していると考えられている。そのため、高ランクの冒険者の絶好の狩場となっている。


 よって、こうしたランドン山脈での未確認魔物の討伐の依頼は多いのだが、高ランク冒険者が挑戦するため、成功することが多いのだ。

 その高ランク冒険者が13名も死亡するなんて異常事態だ。他のSランクでも苦戦する可能性がある。


 まぁ俺なら大丈夫だろうが。



 この時俺は慢心していた。油断していた。まさかこの後足元すくわれるとはな。













「ここか」


 ランドン山脈に到達した。

 目の前には大きな山々がつらなっている。足場は岩でゴツゴツしている。

 景色は壮観。だが先程からピリピリとした感覚に襲われている。


 強敵の感覚だ。


 ヒュドラの時以来じゃないか。

 血が滾るねぇ。


 "知覚者"での命の危機はとっくに知っている。だが"知覚者"の制限は外さない。

 全部知ったらつまらないだろう。

 それに今回は俺だけの命の危機だしな。どうせなんとかなる。


 "知覚者"の制限を一部解除し、対象の魔物を探す。


 こいつか? なんの魔物かは分からないが、どこにいるかは分かる。


 わかった瞬間、走って向かう。


 いた! あれか。

 狼のような見た目の魔物だ。


 うさぎを一心不乱に食べている。

 あまり強そうな魔物には見えないな。

 よし先手必勝だ。


 そう思い一気に飛び出し、一瞬で魔物の首を狩る。


 ん? なんだ? ……まぁ気のせいか。


 これで依頼終了か。なんだか弱すぎる気もしたがな。まぁ帰ろう。

 そう思い歩き出す。


 少し違和感があったがあんま強敵じゃなか――っ!?

 俺はすぐさま横に飛ぶ。


 その横を一瞬で黒っぽい何かが通り過ぎる。


「おいおい冗談だろ……」


 そこにいたのはゴキブリだ。


 体長が2mはあるのではないかと思うくらいにでかい。

 そしてキモイ。おぞましすぎる。


 俺は前世からゴキブリが大の苦手だ。ゴキブリは人類の天敵であると本気で思っている。

 あんな奴ら滅べばいい。


 クソ、鳥肌がやばい。

 今すぐ逃げ出したい。


 だがそうしたいのは山々だが、先程倒した狼の死体はなく、このゴキブリからは先程の狼と同じオーラがする。

 まさかこいつさっきの狼って言うんじゃねぇだろうな。ただ、そうとしか考えられない。


 仕方ない。

 さっさと終わらせて早く帰るぞ!

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