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最強への道 〜異世界で神になるまで~  作者: 土沢天樹
第3章 青年期 学院編
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第25話 それぞれの部屋で

 皆のステータス確認が終わったようだ。


「今日はこれで終了だ。この後は寮に戻るなり好きにしていいぞ。じゃあ解散」


 そして各々教室を出ていく。

 俺らは皆が出ていくのを待つ。


 皆が出て行き、教室には俺とテスタ、レジュだけが残った。


「さぁさぁ、そろそろ教えてよぉ!」


「俺が言われたのはステータスが低すぎるってことだ。Sランクにしてはってことだな」


「僕は逆に高いって言われました。ウィン様と同じくらいであると」


「えぇー! 2人ともステータスどのくらいなの!?」


「多分、俺もテスタも100ちょっとじゃないか?」


「強いんだね2人とも。ウィンは納得だけど、テスタくんもなんて……」


「俺の弟子だぞ。強くするのは当たり前だ」


「でも待って。ウィンの言ってたSランクにしては低いってどういうこと?」


「Sランク冒険者になれば、ステータスは100じゃすまない。1000に迫るくらいだろうな。だからどうしてこんなに低いんだってことだろうな」


「へぇー、Sランクって凄いんだね。え? でもウィンはどうやってSランクになれたの?魔法のおかげとか?いやでもMPとかも足りないし、えぇと」


「違う。偽装だよ偽装。実際のステータスは違うんだよ」


「え?そんなことできるの!?」


「スキルのおかげでな」


「えぇー、さすがウィンだね。でも実際どのくらいなのステータス?」


「だいたい平均6万ちょいくらいかな」


「ご、6万!? え、嘘でしょ!?」


「嘘じゃねぇ。まじだ」


「え、え、じゃあテスタくんはどのくらいなの?」


「僕はだいたい3万程です」


「さんま! えぇー! ちょ、やば!」


 さんま? 秋刀魚? そんなに食いたいのか。


「え、でもさ、なんで隠してるの? 目立ちたくないとか?」


「いや、そういうわけじゃねぇ。俺にはちょっとした事情があってな。俺自身が目立つのはいいんだが、ステータスがバレるのは良くない。だって6万なんて世間一般から考えても異常だろ。Sランク冒険者だって1000前後だって言うのに」


「そうだよね。確かに」


 ステータスを隠すのには理由がある。復讐のためだ。俺は別に忘れたわけじゃない。機会を狙っているだけだ。


 雑談を終え、寮へ戻る。


 入学してからは寮生活となる。

 もちろん家賃なし。2人一部屋で、トイレつき、朝と夕方2回、ご飯が出る。

 ラウンジなどの共有スペースはあるが、部屋は完全男女別となっている。


 相部屋の相手は既に知っているが、直接は会ってない。

 いや、1回だけあったかな?


 荷物の搬入は昨日行われたが、その人は使用人の人が搬入を行なっていたため、本人には会ってない。


 部屋のドアを開く。

 金髪のイケメンくんがそこにいた。


「やあ、会うのは初めてではないけど、話すのは初めてだよね。私はエザルネス・フォン・ドートミール。ドートミール王国の王子さ。この度、この学院に入学する運びとなった。よろしくね、兄上の恩人殿」


 そう言って優雅に胸に手を当て、腰をおった。


「城では話す機会がなかったな。入学の件も書面でだったしな。ウィンバルド・スフィンドールだ。ウィンでいい。よろしく、イルゾの弟君」


「では私のこともエザルでいいよ。ウィン」


「分かった、エザル」


 そう言って、グータッチを交わす。


「昨日は会えなくて済まなかったね。ちょっと公務が入ってしまって行けなかったんだ。一応使用人には事情を説明するように言ったんだけど」


「ちゃんと聞いたから大丈夫だ。俺も荷物が少ないから昨日も長くいなかったし」


「ふむ、確かに少ないね。さすが冒険者ってところか」


「まぁ、そういうことだ」


 こうして俺らは雑談に花を咲かせた。









---------------

 テスタルネ視点


 僕はテスタルネ。


 偉大なるウィン様の一番弟子です。

 この世で1番尊敬してます。ウィン様のためならこの命さえいらない!


 しかし、寮での部屋割りはウィン様と別になってしまいました。

 ランダムで決められるから仕方ないとのことです。


 ですがこれだけは……。


 僕はルームメイトと会話した瞬間そう思いました。

 僕の目の前には1人の男子が立っています。見た目は普通っぽいです。


 ですが…なんですかこの人は! 口を開けば放送禁止用語ばっかり言って!


「あの、そういうことは言わないでくれませんか?」


「なんでだ?俺の×××について語って何が悪いんだよ」


「悪いことしかありません!」


「短気なやつだな。×××が××××するぞ」


「あああああ」


「いや聞けよ。せっかく人が×××について語ってるのに」


 僕は何も聞こえません。僕にはバキューンという音しか聞こえません。


 なぜバキューンという音かと言うと、ウィン様の故郷では放送禁止用語にバキューンという効果音がつくスキルを持った人がいて、その人がいつも故郷の町で放送禁止用語が吐かれるたび、スキルを発動していたようです。


 なんともウィン様の故郷は凄いスキルを持った人がいると感心したものです。

 なので、そのスキルは使えませんが、バキューンという効果音に脳内で変換しています。


 僕は何も聞こえない!


 こんな人がルームメイトで僕は心配です。

 こんな人が騎士になっていいのかなぁ。






---------------

 レジュレンテ視点


 私はレジュレンテ・カーヴィー。15歳。


 12歳を過ぎたあたりから徐々に妙に視線を感じるような気がする。

 気のせい? と思ったけど、明らかにナンパが増えた。

 一時期5m間隔でナンパされたこともある。


 もうヤダ! って時にお父様から私が"気配遮断"を持っていることを教えてもらった。それで、人の目につく時は、できるだけスキルを発動するようになった。

 でも気をつけないと、人に全く気づかれないから気づかれたい時はスキルを発動しないようにしてる。


 そのオンオフが大変。

 今はもう慣れたけど。

 息をするようにオンオフを切り替えできる。


 今日もウィンに会えたから気分が上がる。外見じゃ悟られないようにしてるけど。

 ウィンに再会できた時は本当に嬉しかった。生きてると知った時も嬉しかったけど、会えたときも嬉しかった。


 ついつい抱きついちゃった。私が意識してることがバレなきゃいいけど。いやでもバレてもいいのかな。

 今度お母様に相談してみよう。

 とりあえず腕を掴んでおけというのはお母様のアドバイスだ。


 今、寮の部屋に向かってる。

 実家以外で過ごすのは初めて。


 ルームメイトがいい人だといいけど。


 ドアを開く。


 部屋に入ると1人の可愛らしい女の子がいた。

 ちゃんと挨拶しなきゃ。


「同じ部屋だよね。よろしく! 私レジュレンテ・カーヴィー。レジュって呼んで!」


「な、な、な、な、な、な」


 でもこっちが挨拶してもな、な、な、な言ってる。なんでそんなに驚愕の顔をしてるのかな。

 な、な、な言ってるけど何が言いたいの。

 ウィンが昔、口ずさんでた歌みたい。


 何の歌かは教えてくれなかったけど。


「ど、どうしたの?」


「あ、な、えと、お、お姉様と呼んでもいいですか!」


 は?


「は?」

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