第24話 入学
前書きにこれを書いてすみません。
頂いた感想についてですので、読みたくない方は読まなくて結構です。
まず、感想を書いて頂きありがとうございます。私は批判的な感想も受け付けますので、悪意が無いものであるなら、どしどしお寄せください。
ギルドマスターの行為についてですが、ウィンに素行の悪い冒険者をけしかけること自体は、犯罪ではありません。なぜなら、ドートミール王国にそのようなことをしてはいけない、という法律がないからです。この国の法律は日本とは異なります。ただ、私は犯罪行為を肯定するつもりはありません。これはフィクションであることを忘れないでください。
また、ギルドマスターがけしかけた素行の悪い冒険者はBランクで、ウィンは書類上では、同じBランクでも上位のトーマスに勝っているとなっています。もし、その素行の悪い冒険者がウィンを殺してしまうことがあっても、それはウィンがただ賄賂か何かで不正にBランクになったということです。不正に登録することは、国とギルドとの取り決めで、犯罪になります。この世界では人権が現代日本と比べて、軽んじられやすいです。もちろんこの犯罪では、裁判なんかやりません。よって殺す殺さないを決める権利は、ギルドマスターにあります。したがって、もし殺してしまっても、なんの問題もありません。
最後になりますが、もしこの作品を嫌うと言うならば、読まなくて結構です。嫌いなものをわざわざ読んで時間を過ごす。これほど無駄なことはないでしょう。私も全ての読者に好かれる文章を書ける自信はありません。ただ、私のためを思っての批判なら甘んじて受け入れます。ご指摘頂ければできるだけ気をつけますので、これからもどうぞよろしくお願い致します。
長くなりまして申し訳ございません。
無事入学をすませ、今入学式を受けている。
え? 入学金をどうしたって?
そりゃ国王の推薦なんだからただに決まってますよ。
ずるいとは言わせねぇぞ。
自分で言うのもなんだが俺は国王の推薦を得るには相応しいと思うのだがな。
だって……、
「続いては新入生代表挨拶。新入生代表、ウィンバルド・スフィンドール」
「はい」
司会が女性のため敬語で返事をする。
そして壇上へ上がる。
軽く会釈をし、入学式会場を見渡す。
会場は広く、保護者や教員を合わせれば軽く2000人はいるだろう。
俺は他の学部の生徒を差し置いて首席になった。
実技試験がない学部もあるので、全ては筆記試験で決められる。筆記試験は全学部共通のため、比べやすい。
その筆記試験で俺は満点。
筆記試験のために勉強してきた法学部の人は面子が丸つぶれだろう。
まぁ知ったこっちゃないがな。
だから俺を見る目は三者三様。
恨みがこもった目を向けるもの、好奇の視線を向けるもの、興味なさそうな目を向けるもの、羨望の目を向けるものなど様々だ。
おもむろに俺は話し始める。
「新入生代表のウィンバルド・スフィンドールだ。知ってるものもいると思うが、俺はSランク冒険者だ」
『ザワザワザワザワ』
俺が話してる時にざわめくんじゃねぇよ。
「ぶっちゃけ言えば俺はここにいる誰よりも優秀だ。この学校に入る意味も本当はない。だが俺には入る理由がある。目的を達成するためなら何をするにも厭わない。もし邪魔したら殺すぞ?」
少しだけ威圧をかける。
戦闘力がない人もいるため、最小限に抑えているがな。
皆の顔が青ざめる。
「脅しはこれくらいにして。皆が卒業して良い就職ができることを願っている。以上だ」
軽く会釈をし、壇上を降りる。
シーンとした中では俺の靴の音がよく響く。
座った時にレジュに何してんだみたいな目で見られた。
これは俺の狙い通り。
この学校には貴族が多数在籍していて、どこの馬の骨か知らない奴が首席になったら、やたらでかいプライドがズタボロだろう。それでレジュに手を出されたら俺はこの国ごと滅ぼすかもしれないからな。
それをさせないためには恐怖心を煽るのが手っ取り早い。
アホなことをやらかすバカは減るだろう。
だがここまでやっても救いようのないバカはいる。
俺やテスタはいいが、レジュは本当に心配だ。
まぁ、対策はしてあるがね。
こうして入学式は無事? 終わり、クラス発表となった。
成績順で俺はA組だ。
レジュとテスタも同じクラスだ。
指定された教室へ向かう。
「なんでウィンは挨拶でああいうこと言っちゃうのかなぁ」
「ウィン様のお考えがあっての事ですよ、レジュ様」
「えー、ねぇ教えてよー」
レジュは俺にすがりつく。
「しばらくしたら直にわかる」
「そう言われてもねー」
そうこうしてるうちに教室へ辿り着いた。
教室を空けると先に入っていた人達が一斉にこちらを見た。
視線の種類は入学式の時同様様々だ。
その視線を無視して、黒板に書かれている指定の席に座る。
俺の隣はレジュで、後ろがテスタだ。
しばらく3人で雑談していると、前のドアから1人の男性教師が入ってきた。
「静粛に」
一気に教室が静まりかえる。
「皆入学おめでとう。私はこのクラスの担任になるドネルガ・ビゲルだ。私の出身は西に行った先にあるカレラルール王国だから、姓が先に来て名前が後に来る。間違えるなよ。さて、お前らは晴れてA組になれた訳だが……油断すんじゃねぇぞ。ここに入学したことはただスタート地点に立っただけだ。ゴールじゃない。この学院には年に2回試験がある。これによってA組がB組に落ちたり、逆にB組がA組に上がってくることもある。全ては成績しだいだ。より強く、優秀な騎士を目指すなら気を抜くな。常に努力しろ。私が言いたいのはそれだけだ。これから1年間よろしく」
俺は手加減の努力を怠らないようにしよう。
「早速だが、皆のステータスを確認したいと思う。個人情報だから私だけが見るから安心しろ。別室で行うから席順でスフィンドールから私に着いてこい」
こうして俺はついて行き、その教室へ行く。
その教室には1つの魔道具らしきものが置いてある。
「この魔道具に手を置け」
言われたとおりに手を置く。
「ふむ。お前、教室にいる誰よりも高いとは思うが、それにしてもSランク冒険者にしてはステータスが低すぎないか?」
「そりゃそうだ。俺くらいになればステータスの偽装など朝飯前だ。本当のステータスをここであんたにばらすわけないだろ」
「そうか。まぁ、仕方ない。もう行っていいぞ。次はテスタルネを呼んでくれ。」
俺は席に戻る。
「次テスタだぞ。行ってこい」
「はい、ウィン様」
そう言ってテスタは教室を出ていく。
「ねぇねぇ、ウィンはなんて言われたの?」
「ん? 今朝のご飯を訊かれた」
あえて冗談を言ってみる。
「そんなわけないでしょ! ホントのこと言ってよ!」
まぁまぁ怒りなさんなお嬢さん。
「あとで教えてやるよ。ここでは言えない」
「チェッ、けちぃー」
可愛い顔して言われてもねぇ。
あ、テスタが帰ってきた。
「あ、ねぇねぇテスタくんはどうだった?」
「すみませんレジュ様。ここでは言えないので後で言うのはダメですか? 必ず後で教えますので」
「キー! どいつもこいつも!!」
はぁ、こっちの立場も考えろっつーの。




