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第15話 一波乱

少し短めです。

 森の中をひたすら走る。


 次の依頼はオークの討伐だ。

 繁殖能力が高く、他種族の雌を苗床にするため、討伐依頼が出やすく、とても強く集団で行動するためBランクの依頼となっている。


 いやその前にちょっとお客さんだな。

 俺は一旦走るのをやめ立ち止まる。


「おい、俺に何の用だ。いるのは分かってるんだぞ」


 この気配は明らかに敵意が混じっている。


 目的は分からない。

 最近つまらなさから"知覚者"の能力を制限してるためだ。


「バレちまったか。オークを倒して油断したところで殺ってやろうと思ったのに」


「近くで張ってて良かったな。あの足の速さだと追いつくのでやっとだ」


「オークを討伐するならここを通ると分かってたからな。予想通りだ」


「やっぱりただのガキじゃねぇな」


 冒険者風の男が5人ぞろぞろと出てくる。


「お前ら俺を殺すのか?」


「あぁ、ここで死んでもらう」


「ふーん、こんなことしてただで済むと思ってんの?」


「気にすんな。お前はここで死ぬからオークに殺されたことになるだろうな。所詮死人に口なしだ」


「お前の情報は調べた。俺らが負ける訳はない」


「ハイハイそーですか。ま、頑張ってねぇ」


 そう言って俺は俊敏力だけ手加減を解除する。


 音速をゆうに超えた攻撃で5人の意識を刈りとる。

 本当なら解除なんかしなくても勝てるが、それはほかの理由があるからだ。


 ほら、まだ隠れてた3人が逃げ始めた。



 全力で逃げながら3人は会話をする。


「おいおい、なんだよあいつ。話とちげぇじゃねぇか!」


「し、知らねーよ。なんだよあの速さ。目で追えなかったぞ!」


「くっそ、今は逃げるのに集中するぞ。とりあえず森を出て、「ふーん、それでどうするんだ?」」


「「「¥○☆%#$!!!」」」


 3人仲良く謎の言語を発し、驚愕の顔で俺を見る。


「いやんそんなに見つめないで」


 おちゃらけてみたが盛大にスルーされた。


「てめぇ! どうや、へぷッ!」


「おい、やつが消え、ゴフッ!」


「な、何がおき、ぐへっ!」


 3人仲良く意識を手放せて良かったな。


 こいつらを引きずってさっきの所へ戻り、8人を縛り上げる。


 こちらはまた空間魔法を使って、異空間に収納する。

 亜空間ではなく異空間なので、生物も入れられて時間も経過するものだ。


 よし、これで完了。

 やっとこさオークの討伐ができるぜ。


 こいつらを差し向けたやつは分かっている。


 はぁ、面倒くさ。

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