フィルム
そろそろ本題に入ろう。
「それで話があるの」
「やっぱり。四人で来たの始めてだし、何かあると思ってた」
深呼吸。プレゼンの始まりだ。
「七月にStepher彗星が来るの。だからみんなで観に行かない?」
「すいせい?」
「13年前のあの彗星が接近するんだって」
こんな時のため、事前に写真を印刷してきている。鞄からクリアファイルを取り出し、一枚の写真を見せる。
「・・きれい。でも、これどこかで・・」
そこには光があった。
真っ暗な宇宙を、光が尾を引いて走っている。
「別名ほうき星っていうんだよ!」
曰く、光で宇宙で掃除しているように見えるんだとか。
真鶸ちゃんは物知りだ。
「・・・でもこんなに綺麗だけど、氷や塵なんだろ?」
「まぁそうだね!」
・・男にはロマンチックさが分からないんだろうか。
その後、凪柊は黙り込んでしまう。プツンと、電源が落ちたように。
「でもでも!こんなに綺麗に見えるんだから!もしかしたら中には、すごく綺麗なものがあるんじゃないかな!?」
「乙女だぁぁぁー!!すっごい純粋!」
我が妹ながらやりおるな!
「たしかに!まだ誰も中に入ったことはないんだし!」
「お前もファンタジーかっ!」
あれ・・。もしかして私の心は汚れているんだろうか。
「え!?あたし想像力貧困?」
真鶸ちゃんの肩を叩く。
一人じゃないよ、大丈夫・・・。
あの二人に対して、私の認識は全く可愛くない。
だって私には――。
「彗星の尾が、映画のfilmに見えるんだよね」
あなたには、どう見えますか?




