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2-15 ここは異世界 ~当たり~

しばらく更新せず申し訳ありません。夏の暑さで頭が働きませんでした(><)

何とか再開です。

これから少しずつでもペースを取り戻せるよう頑張っていこうと思います。

「あとは……女の子と言ってよいのか分かりませんが、自衛隊って分かります?」

「ジエータイ……自警団のこと?」

「まあそんなところです。護衛任務に就いていた隊員……女性戦士が一人いました」

「女性戦士!? もっと詳しく!!」

「そうですねぇ。文武両道の頼もしいお姉さんって感じでしょうか」

 具体的には、草薙素子と桂木ミサトを足して二で割った感じだけど、言っても伝わらないよなぁ。

「え~~~。文武両道かよぉ……難易度たけぇなぁ」

「難易度?」

「あ、ううん、なんでもない。こっちの話。で、他にはどんな子が?」

「いえ……これで全員です」

「えっ! これだけ!?」

「これだけって……十分だと思うんですけど」

「だってオトっつぁん節操無しだろ? アタシの見立てだと10人くらいは出ないとおかしいんだけどなぁ」

 酷い言われようである。いや、節操無しなのは否定しないけどさ。

 ちょっとカウントしてみようか。え〜っと…

 まず、性的に寛容な幼なじみの許嫁だろ?

 次に、ひたすら可愛くて甘えん坊な妹だろ?

 そしてメインヒロイン枠の、優等生で大和撫子なお嬢様の巫女姫様だろ?

 更に、文武両道なお姉さんで女戦士枠の自衛隊員だろ?

 あとはヒロイン枠じゃないけど、若くて美人のお母さん…

 あの短い夢の中で五人だぞ、五人。これだけ登場すれば十分節操なしだろ。

 はっ!!

 いや待てっ!?

 なんと言うことだっ! 大切なことを忘れていた!

 眼鏡っ子枠が一人もいないじゃないかっ!!

 他ヒロインとのバランスを考えると、家庭的なおっとり型か、ドジッ子タイプが足りない!

 途中で目を覚まさなければ登場したのだろうか? いや、あの緊迫した閉鎖空間に家庭的な女の子が出てくるのは無理があるか……

 だけどこれではっきりしたな。眼鏡っ子が一人もいないという事は、私の“内なる願望”では無いと言うことだ!

 そんなことを確信してもなぁ……

「それじゃあさ、それじゃあさ、オトっつぁん♪ 夢に出てきた女の子達はどんな話をしてたのか教えてよ♪」

「話…ですか…う〜〜〜ん。

 幼なじみちゃんは、やたらとキスを迫って来た印象ですね」

「んまあ、幼なじみの許嫁なら、そうだろうね。少なくともアタシの故郷ではよく見る光景かな」

「そ、そうなんですか……」

「で、他の子は?」

「妹ちゃんは寝顔を見ただけですし、お母さんには素っ気ない態度を取られただけなので、特に話す事はないですね」

「ふんふん」

「一番話したのは……やはり巫女姫ちゃんですか。会話の全てを覚えているわけでは無いのですけど」

「いいからいいから♪ 覚えてることを話してよ」

「確か……世界を救うために必要だったとか……“ショウカンノギ”を執り行ったとか……いや、違うな。

 ええっと……ええっと……たしか……そうだ、そうそう! “イセキショウカンノギ”だ!

 巫女姫ちゃんは“イセキショウカンノギ”を執り行ったと言ってました!」

 ……あれ? ハナナちゃんの相づちが無い。

 ふり向くと、ハナナちゃんは引きつった笑顔のまま固まっていた。一体ナニゴトっ?

「イ…イセキショウカン? イセキショウカンってもしかして、“トレードサモン”のこと?」

「は? いや、よく分かりません…」

「ちょっ……ちょっと待ってねオトっつぁん! 整理するからちょっと考えさせて!!」

 ハナナちゃんはそう言うと、頭を抱えながらブツブツと呟き始めた。よくは聞こえないがこれまでの経緯を整理しているようだ。

 彼女の反応からして当たりを引いたようだけど、どっちに転ぶのかな? 良い方なのか、悪い方なのか。ちょっと怖い気もする。

 それにしても“トレードサモン”って何だろう?

 これが英語なら“トレード”は、プロスポーツ団体が互いの所属選手の保有権を交換する事だよな。日本語だと“移籍”かな。

 で、“サモン”はなんだっけ? 鮭……はサーモンか。サモン、サモン……。昔、“サモンなんちゃら”ってRPGがあって、その意味を調べたことがあったんだよな。たしか“呼び出す”とか、“召喚する”って意味だったはず。

 …………………・……は?

 つまり“イセキショウカン”に充てられる漢字は“移籍召喚”!?

 移籍…トレード…つまり、私と“私ダッシュ”が、異世界召喚の際に交換されたということかっ!?

 突然、巫女姫ちゃんの申し訳なさそうな顔が、あの時の言葉と共に思い浮かぶ。

「……本当にごめんなさい。貴方の都合も考えず……。でも仕方がなかったのです。この世界を救うには“移籍召喚の儀”を執りおこなうしか無かったのです」 

 彼女のあの謝罪の言葉……。“私ダッシュ”にだけではない。私自身に対しても向けられていたのだ。

雄斗次郎は何故召喚されたのか? 次回より“移籍召喚”の真実が明らかに!?

……なるといいなぁ(^^;

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