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2-12 ここは異世界 ~啓示か願望か~

「ん? どうしたの? オトっつぁん。まだ何かあるの?」

「実は…その……ここで眠っている時、妙な夢を見まして……」

「え? なに? オトっつぁん、夢を見たの?」

「ええ……まあ……はい」

 するとハナナちゃんは、真面目な顔でこんな事を言い出した。

「それはねオトっつぁん! 神様のお告げなんだよ!」

「は!? お、お告げ? 神様の?」

「そう! “シンタク”なんだよ! “ケイジ”なんだよ!」

「神託!? 啓示!?」

「もしくは、オトっつぁんの“ウチナルガンボウ”なんだよ!」

「内なる願望って……そっちは、起きている時に見る夢では?」

「いや、どっちも眠っている時に見るヤツだよ! 魔道士のじいちゃんから聞いたから、間違いないよ!!」

 怪しい。なんか怪しい。ソースが怪しすぎる。

 もしかしてハナナちゃん、その魔道士にデタラメ吹き込まれたんじゃないか?

 それに“神の啓示”と“内なる願望”って、極端すぎでは?

 ……いや待て。もしかすると、こっちの世界で見る夢は私の知っている夢とは違うのかもしれない。

 あんなにリアルで生々しい夢なんて、これまで一度も見たことが無いものな。

 今はひとまず、ハナナちゃんの話が事実と仮定して考えてみよう。


 まずは最初の可能性。

 あの夢は“神の啓示”だろうか?

 確かに“私ダッシュ”は神殿に召喚され、美少女巫女ちゃんに「世界を救って」と訴えられた。ここら辺は確かに啓示っぽい。

 なんか魔を倒す伝説の剣があって、“私ダッシュ”でないと扱えないらしい。なるほど召喚されるわけだ。

 さて、現実の私だ。

 確かに異世界にいるみたいなんだが、はたして私は召喚されたのだろうか? どちらかと言えば、次元の狭間に迷い込んだように思える。

 あの夢を神託として信じるならば、私はあの神殿を探し、世界を救うために巫女ちゃんから伝説の剣を受け取らねばならないのか?

 だけどちょっと待って欲しい。あの神殿を護っていたのは現代装備の自衛隊だった。異世界に自衛隊がいる? GATEなの? 彼の地にて斯く戦ってるの?

 そしてもっとおかしな事がある。鏡に映った“私ダッシュ”の顔が、むかつくくらい超絶イケメンな青少年だったことだ。そんなことVRMMORPGが開発されなければあり得ない。“ソードアートオンライン”や“ユグドラシル”が現実世界でサービスを開始するのは、はたして何十年後になるだろうか?

 どうにも“神の啓示”と考えるには無理があるように思える。


 ではもう1つの可能性について考えてみる。

 あの夢は、私の“内なる願望”だったのだろうか?

 異世界召喚され、大和撫子系美少女系ヒロインの巫女姫に泣きつかれ、世界を救うために伝説の剣を取って魔と戦うのが、超絶イケメンの少年剣士……。

 なん〜じゃそりゃっ!!

 中2病こじらせていた学生時代ならまあ分かる。今の私は四十代のオッサンだぞ? そんな恥ずかしい妄想なんかするか〜〜〜〜〜〜!!!!

 ………と言いたいが!! 言いたいところだが! 断言できないんだよな、これが……。

 なんだかんだで異世界ファンタジーものは大好きで、ゲームやアニメや漫画やノベル、様々なジャンルでハマっていたわけで……

 もしかしたら内なる願望として、秘めたる願望として、無自覚に持っているのかもしれない。それが夢に出てきたのなら……

 少なくとも、神のお告げよりは説得力あるような気がする。

 だけど、この私が? 世界を救う勇者になりたい? そんな小恥ずかしい願望を持っていた?

 信じられない。何かの間違いではないだろうか?


「それで? それで? オトっつぁんはどんな夢を見たのさ?」

 目を輝かせながら聞いてくるハナナちゃん。この子はいつも興味津々だな。好奇心旺盛なのは悪い事ではないと思うけど、

「いや、それが……その…。結構恥ずかしい内容なんですが……」

「恥ずかしい? いや、まあ、別にいいんだけどさ……」

 先ほどまでの勢いは何処へやら。途端にテンションが下がるハナナちゃん。他所を向きながらこう呟いた。

「えっちなのはアタシの専門外なんだよな〜」

「ちっが~~~~う!!!」

「……あれ? 違うの? オトっつぁん、枯れるにはまだ早いよね?」

「枯れてないけど、えっちな話じゃありません!!」

「じゃあ、どんなのなのさ」

「いや……それがですね……」

 くそっ! 誤解を解くには話すしかないようだ。

 観念した私は赤面しながら、四十代のオッサンが見た厨2な夢を話して聞かせるのであった。

熱くて頭が働かなくて短いです。今回は2000文字行きませんでした(><)

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