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2-8 ここは異世界 ~魔獣と魔法石~

「あ、そうだ。これあげるよ」

 ハナナちゃんがメモ帳を返すついでに、私の手に何かを握らせる。

 手の平では、黒くていびつな形をした小石が鈍い光を放っていた。鉱石には詳しくないが、黒真珠に似ている気がする。

「この石は……なんですか?」

「マホーセキだよ♪」

 マホーセキ? 魔法の石? それとも魔の宝石? 石炭もかつては“黒いダイヤ”と呼ばれていたそうだが、これは宝石には見えないな。

「これには魔法を使う時に必要なマナが込められているんだよ」

 …ってことは“魔法石”で確定か。マナってのはRPGで言うところの“MP”だろうな。

「アタシには街で換金するしかないけど、魔法が使えるオトっつぁんなら“タンク”に使えるからね。記念にあげるよ」

 “タンク”…。これが“戦車”のわけがないから“貯蔵”って意味なのだろう。つまり、“マナ”を貯めて持ち歩ける“タンク”ってことか。

「ところでハナナちゃん…記念とは何の記念ですか?」

「えっ、あ、うん……。

 そ、そりゃもちろん“掃除屋”を解体して食べた記念だよ♪ オトっつぁんは初めてだったろ?」

「そりゃまあ、ものすごい初体験でしたけど……それとこれとはどう関係しているのですか?」

「え? わかんない?」

「……はい。分かりません」

「そっか〜。わかんないか〜♪」

 ハナナちゃんはイタズラ小僧のようにニヤニヤと笑う。何か企んでいるのかな?

「オトっつぁんはさ、“掃除屋”が何に見えた?」

「そりゃあ…“大きなアリ”ですね。もしくは“大きな虫”でしょうか」

「うんうん。そうだよね。どう見てもでっかい虫だよね。でも、アタシ達は“虫”とは呼ばないんだ」

「“虫”じゃなければ、なんなんです?」

「”マジュウ“だよ」

 マジュウ? “魔の獣”って意味か? でも、虫なのに獣? それってヘンじゃないか?

 いや、まてよ? そういえば、モスラやクモンガやカマキラスは、どう見ても虫なのに“怪獣”と呼ばれているな。

 仮面ライダーアマゾンの怪人は全員“獣人”だった。例え虫モチーフでも“獣人”だった。

 見た目が虫でも、虫を超越しているから虫ではない…って論理なのだろうか?

「えっとね、これは以前、一緒に仕事した魔道士のじいさんから聞いた話なんだけど……

 虫ってのは、あそこまで大きくなると身体が重くて動けなくなっちゃうんだってさ。でも“掃除屋”は森の中を自由自在に歩き回るし、木だって登っちゃう。

 どうしてだろう? オトっつぁんには分かる?」

 確かにそうだ。“掃除屋”の細い足で身体を支えるなんて普通じゃ無理だ。水中ならまだしも、地上を移動するのは不可能……

「答えはね〜♪…」

 って、出題から5秒と経って無い〜〜! 考えさせる気ナッシングかよ〜〜!!

「…魔法を使っているからなのさ♪」

「は? 魔法ですか?」

「そう、魔法だよ♪」

 魔法……。つまり“掃除屋”は自重を支えるために、身体を軽くする魔法や、力を強くする魔法を使っていると?

「で、魔法が使える生き物のことを、アタシ達は“魔獣”と呼んでいるわけ♪」

「はあ。なるほど……」

 つまり、見た目が虫でも、鳥でも、亀でも、恐竜でも、魔法が使える生物は、総じて“魔獣”と呼称する。“魔獣”にカテゴライズされるという事か。

 なるほど興味深い話だな。……だけど、魔獣と魔法石にはどんな因果関係があるんだ?

 魔獣は魔法を使う。魔法にはマナが必要。魔法石はマナを貯蔵するタンク。つまり、魔法を使うには魔法石が必要で、魔獣は魔法石を持っている。

 魔法を常に使い続けているという事は、常に持ち続けているということで、そこから導き出される結論は……

「うええっ!」

 気持ち悪い結論を導き出してしまった私は、思わず投げ捨ててしまった。

「うわ〜〜〜〜!! なにやってるんだよっ!! 売ったら結構な額になるんだぞっ!!」

「へ? あっ! ごめんなさい!」

 駆け出したハナナちゃんについて行き、一緒に投げ捨てた魔法石を探す。

 他の魔獣はどうか知らないが、アリ型の魔獣が有袋類のわけがない。ポケットが無いなら魔法石をどこにしまう? 決まっている。身体の中だ。

 魔法石を飲み込んだか、体内で分泌物が固まって出来た真珠か胆石のようなものか、あるいは生まれた時からある臓器の一つなのか。

 正体は不明だが、一つだけはっきりした。魔法石は魔獣を解体することで手に入るのだと。

ああっ気持ち悪い!

ごめんなさい。時間が無かったのですが、どうしても出勤前に執筆したかったので、

本題に入るのを諦め、小ネタに走りました(><)

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