18-1 スペシャルサンクス
誰ともしれぬ貴方へ
ステキなサプライズをありがとうございます。
いやいや、驚きました。今朝目を覚ますと、机に置いた手記を中心に、沢山の花が飾られていたのですから。
きっとベル妖精の貴方が、私の執筆を応援しようと一生懸命頑張って、飾ってくれたのですね。感激です。
ですが……ですね、ちょっと気になる事がありまして………
誰かのイタズラで、ご近所の花壇が荒らされてましてですね、片っ端から花がちぎられていたんですよ。ヒドイ話ですよね。
で、現場の痕跡から察するに、それはどうやらベル妖精の仕業らしいのですよ。イタズラ好きにも困ったものです。
もちろん貴方が犯人だと断定しているわけではありません。ありませんが……
もし、心当たりがあるようでしたら、ご近所迷惑ですから、もう止めてくださいね。お願いします。
さて、今宵も執筆タイムがやってまいりました。ですが申し訳ありません。本日の執筆もお休みさせていただきます。
私としましても、一刻も早く"ルリルリ"編を完結させ、次に進みたかったのです。しかし思いがけない方から、"ルリルリ"編に関わる分厚い資料を提供していただきまして、これを読んで内容を噛み砕かない事には、先に進めなくなってしまったのです。
故に今宵は、資料を読むために時間を費やす事にいたしました。どうかご理解の程、よろしくお願い致します。
追記
折角ですし、特に止められてもいないので、書いてしまいましょう。
わざわざ資料を提供してくださったのは、我らがアルビン政務官です(笑)
年齢は19歳と大変お若いのに、"野薔薇ノ王国"の現在の王様、マドローム氏の側近であり、かなりのエリートでいらっしゃる……はずなのですが。フットワークがやたらと軽く、面白そうな事があれば、政務を怠けてでも関わろうとするコマッタチャンでもあります。(特に一番困っているのが護衛兼秘書のオハジキさんでしょう)
私もここで白状します。実は"ルリルリ"編の後半は、(前半であれだけ引っ張っておいて何ですが)あっさりまとめるつもりでしました。
と言いますのも、入手できた資料があまりにも少なく、想像で補うのも困難だったからです。
長々と根拠のない妄想を書き連ねるのも意味がありませんし、しかもこの後には本題である"王宮戦士誕生編"が待っています。
ここはヒンシュク覚悟で畳んじまおうかな……。そんな風に考えておりましたところ、突然現れましたのが、護衛兼秘書のオハジキさんとアルビン政務官でした。
「いやぁ、"ルリルリ"編、とても楽しませていただいておりますよ♪」とニコニコ笑顔の政務官。
まさか読者が直接現れるとは思いもよりませんでしたが、彼はベル妖精を使役してはおりません。つまり別ルート(恐らくは公安ルート)で私の手記を読んでいるということになります。つまり、誰ともしれぬ貴方の正体は未だ不明という事です。
「ところでいよいよ"ルリルリ"編が盛り上がってまいりましたね。ところで雄斗次郎さん? もしかして資料にお困りではありませんか? 実は私、初代王宮戦士殿には特別にシンパシーを感じておりまして、国家権力を駆使しまして色々調べていたのですよ♪ これはその一部ですが、執筆のお役に立てればと思い、持ってきました。どうぞ受け取ってください♪ あ、ちなみにこれはコピーですので返却は無用です♪」
そう言って手渡してくれた資料をパラパラとめくってみますと、資料の半分は黒塗りでした。公にできない部分はきっちり塗りつぶしているわけです。手の込んだジョークで無いなら、これはマジもんの機密書類ということになります。
つまりアルビン政務官は極秘の機密資料を提供する事で、「"ルリルリ"編の後半もしっかり書いてくださいね。手を抜いたら許さないゾ♪」と私に圧力をかけてきたわけです。いやぁ、怖いッスね〜〜〜(^^;
私にガチ勢を満足させられる程の文章を書けるか、自信はありませんが、折角いただいた資料です。頑張って反映させてみようと思います。
それにしてもこの手記、最初は自分の考えをまとめるため、後に続くガングビトのために書いていたはずでしたのに、気がつけば読者が出来て、知り合いとはいえ公人が資料提供するようにまでなってしまいました。
だんだん大げさになっておりますが、一体どこに向かっているんでしょうね。
何処に向かっていようとも、私はマイペースで書き続けるだけです。
それしか出来ませんからね。