表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

終わりの始まり。

『緊急速報です。先程各国の全ての駅にて、爆発事件が起こりました。この爆弾には高濃度の有毒ガスが――』


朝、俺が楽しみにしていたアニメを見るべくテレビを付けたが、アニメはなく、代わりに流れているニュース。チャンネルを回しても、どこも同じ。そして全て同じ内容だった。


――爆弾が、有毒ガスが。


現地にいる救急団員や警察はいつもと違い、誰もがガスマスクをしていた。有毒ガスの影響を受けない為だろう。



でも、そんな、まさか。



昨日まで普通に生活してたし、いつもと変わらず平和だったし。


数ヶ月前まで騒がれてた゛地球が滅びる゛なんてイカれた予言も外れたし。


なにより今日は、そう、エイプリルフールだ。

たとえ時間が午後でも、今日はエイプリルフール。

全部、全部ウソになる日だ。



だからさ、ねぇ



゛嘘でした゛って言ってくれよ



だって、そう言ってくれなきゃ信じるしかないじゃないか。


こんなの信じたく、ないのに




まだ幼い俺の脳には、その内容は突飛すぎて。

何が何だか、よく分からなかった。


ただ、1つだけ。



「――嘘じゃ、ないの?」



この出来事が、現実だってことは分かっていた。


この出来事はまるでマンガに出てくるような、現実味のない出来事だった。



マンガだったら良かったのに。

笑い飛ばすことができたのに。

ヒーローが、助けてくれるのに。



しかしあれから二年たってもヒーローなんか現れず、しかもまだ有毒ガスは無くならず、人はガスマスクの生活を余儀なくされた。


息苦しかったガスマスクも、もう慣れた。

慣れなきゃ、いけなかった。



そして今日もガスマスク生活を送っている俺、町田

彼方、17歳。


今日も叶わない夢を見続けています。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ