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Act.0
「君! 今、楽しいか?」
そう聞かれたのは俺が高校生活に慣れ始めた五月の中頃、放課後の誰もいない教室で読書をしていたときのことだ。
読書を邪魔されて不機嫌になりつつ、声が聞こえた扉の方に目を向ける。そこにいたのは、割と可愛らしい女の子だった。
「は……へぇ?」
「私は、今楽しいかと聞いたんだ」
俺は、いきなりこんな事を聞いてくる人間に出会ったことがない。
「楽しいならそれでいい。だが、もし楽しくなかったら、今の鬱屈した日常に嫌気がさしているのなら……私の部活に来ないか」
俺は、この地点で理解した。今まで俺が待ち望んでいたのはこれだったのだ。 そして俺は感じていた。これから、俺の日常が変わると。
「……行くよ」
「うん。そうか」
新しい日々が、始まる。
「ようこそ、我らが日常演劇部へ」




