表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険とかしてみる。  作者: 日向猫
一章 たのしい狼一家
5/26

第4話 新たな家族、狼一家





 鬱蒼と茂った森の中、サワサワとそよ風が木々を揺らす。

木々の隙間から木漏れ日が照らす。


明るい森だ、暗く不気味な印象はまるでない。


そんな森の中で、俺は一人岩陰に隠れるように膝を抱えて座っていた。



ある意味パニック状態である。

気付いたら三歳くらいの幼児にクラスチェンジ。

周りは森という状況だ。


右も左もわからない状況でどうせよと。

泣きたくなったが、こんな森の中で泣き喚こうモノなら獣が出るかもしれない。


なによりこの世界は魔物が居るかもしれないのだ。

しまった、その辺の情報をもっと詳しく聞いとくんだった。


後悔先に立たず。

仕方ないので、目に付いた大きな岩陰に隠れて、今の自分の状態を確認する事にした。


肌は浅黒く褐色に近い、ぼさぼさに伸びた髪は黒、瞳の色は解らないので保留。

顔の造詣も以下略。

粗末な服に身を包んでいる、難民か浮浪児のようだ。

だが、不思議と肌は綺麗なものだ。

まあ、作られたばかりの肉体なら納得であるが。

幼いのも、神による好意なのか。

体に対してはもういい。


次はステータスだ。


「…」


さて、どうしたものか。

数値化してくれているはずだが、どう確認する?

とりあえず色々試して見よう。


「えと、ステータス?」


すると俺の目の前に半透明の画面が投影される。

所謂空間スクリーンみたいな感じだ。


てか、これ他人には見えないんだよな?

一応、人前に出る前に確認が必要だが、今は一人だし問題あるまい。


画面には、こうあった。


名無し

3才 男


器用度 1

敏捷度 1

知 力 1

筋 力 1

生命力 1

精神力 1


一般技能

 なし

一般レベル 1

 

冒険者技能

 なし

冒険者レベル 0

 

特殊技能(ギフト)

 重力操作(グラビティアクセル)

 時間停止(カウントストップ)

 究極なる防害(アルティメットガード)の盾


装備

  鎧  粗末な服(布)

     必要筋力0

     防御力1


てか、なんでSW風なんだ。

だがよく見ると下のほうに技能とある。

指で触れれば操作できるのか?と意識を向けたら

勝手に画面が変わった。

なるほど、意識するだけで画面を操作できるようだ。


技能Lv  才能限界Lv


戦闘技能Lv0(MAX4)

生活技能Lv0(MAX3)

生産技能Lv0(MAX3)

特殊技能Lv1(MAX4)

魔法魔技能Lv0(MAX0)


次に特殊技能に意識を向けると、また画面が変わる。


特殊技能Lv1(MAX4)


重力操作グラビティアクセルLv1(MAX4)熟練度0

時間停止カウントストップ)Lv1(MAX4)熟練度0

究極なる防害(アルティメットガード)の盾Lv1(MAX1)熟練度無し


いくつかの項目の意味が解らん。

ヘルプ機能はないのか?

そう思ったら、意識を向けていた技能に説明文が出た。

能力の説明は知っているので無視して、才能限界とか熟練とに意識を向ける。


ヘルプ才能限界

人には才能というものがあります。

才能の無いものは幾ら頑張っても意味がない、それが才能Lvです。

人には得て不得手があるように、限界Lvが高いものほど習熟度が早くなるでしょう。

0は紛れもない一般人Lv、そこらの町民と同じくらいです。

1は一般的な専門職のLv、これくらいあれば丁度いい。

2はプロLv専門職のプロ、この境地に至れるものは多くない。

3は名人や達人と呼ばれるLv、その道を極めたと言えるでしょう。

4は伝説の英雄Lv、並ぶ者無き孤高の玉座。

なお、当たり前ですが、限界Lvは人によって異なります。


ヘルプ熟練度

その技能をどれ程習熟しいてるか、その度合いを示します。

1~10まであり、10になるとLvが上昇します。

ただし、長期に渡って技能を使用しないとLvは下がります。

腕が鈍るというように、使用しない技能は鈍ります。

しかし、培った経験が無に帰すことはありません。

再び使用すればLvはすぐに戻るでしょう、培った経験は貴方を裏切りません。


まぁ今はこんなものだろう。

しかし神よ、本当に強靭な身体をくれたのだな。

才能限界のほとんどが4か、大体3だしな。

魔法だけはやっぱし0だが。


しかし、これからどうしたものか。

森の中にじっとしてても意味はない。

強靭な肉体といってもその可能性があるだけで、腹も減るし疲れもする。

このままじっとしてれば餓死か。

それは頂けない、動かなくっちゃ。

とにかくこの森を出るべきだ。

害あるものは俺を傷付けられないのだから、魔物が居ても平気なはず。

気をつけるべきは、不意の事故とかだろう。

ほかにも害が無くとも、命を奪う危険は多い、だが行動しなくては。

そう思って、握り拳を固め意気揚々と立ち上がった。


その時だ。

ガサリと、近くの茂みが揺れたのは。


びくっと、びびった俺は悪くない。

風、じゃないな。

明らかに何か動物が蠢く音だ。

ガサガサ音を鳴らし何かが近づいてくる。


やべぇ、足が震えて動けない。

情けない、なんて事だ、こんな程度で俺の身体は動かなくなる。


心臓がバクバクしてる。

動け動け!


ガサリと一際大きな音と共にそれは現れた。


ぬぅと大きな頭を突き出したのは、大人の身の丈より大きな狼だった。


で、でけぇ…


見上げる程に大きな狼が、足元に立ち尽くす俺に気がついて視線を寄越す。

いきなり大きな顔を寄せてきて、スンスンと匂いを嗅ぐ。


その時俺の目には、余りにも巨大な狼の牙が目に付き血の気の引く音がした気がする。

今俺は、真っ青な顔で巨大な狼の為すがままにされている。

俺の匂いを嗅ぎ飽きたのか、その巨大な口を大きく開けた。


くっ、食われる!


ベロリ


「ほあっ」


変な声が漏れた。

いきなり顔を舐められた。


ベロリベロベロ


「はわっ、やめっ、ちょ、そこはだめっ!」


まるで口の中で踊り食いされるように、舐め弄られた。


「あははっ!やめっ!ははっ!くすぐったい!」


ひとしきり舐めて満足したのか、

狼は笑い疲れてぐったりした俺を銜えて森の中に歩き出した。





しばらく巨大狼の口に銜えられて揺られていたら、前方に岩肌に出来た洞窟が見えてきた。

あれ?俺お持ち帰りされて食われるの?


ゆっくり近づく洞窟から、銀色の毛玉が4匹飛び出してきた。


『おかえりおかえり』


『ごはんごはん』


『おなかへった』


『ねむい』


まるでテレパシーの様に頭に木霊する小さな子供の様な声が響いた。

言うまでもなく、今のはこの毛玉の声だろう。

巨大狼の足元にじゃれ付いて、歩きにくそうな事この上ない。


『おかあさん、それなぁに?』


毛玉の1匹が俺の存在に気付いた。

巨大狼はそれに答えず、洞窟に入っていく。

4匹の毛玉も後に続いた。


巨大狼は、地面に敷き詰められた草の上に、俺を横たえた。

その時を待っていたと言わんばかりに、4匹の毛玉が俺に殺到する。


『なんだなんだ?おまえなんだ?』


『くんくん、なんだが、かいだことのあるにおい』


『ぼくたちと、おなじにおいがするよ』


『ねむい』



巨大狼と同じく、俺の身体に鼻を押し付け、くすぐったい事この上なし。

もはや抗う元気も無い俺は、毛玉たちに為すがままだった。


『子供たち、よくお聞き』


頭上から、女性の声が降る。

俺に鼻を押し付けていた毛玉たちは、一斉に巨大狼の方を向く。


『この子は、お前たちの新しい兄弟だ、今は弱って元気がないが仲良くするんだよ』


そういって俺を包むように座ると、毛玉達と俺を優しく舐めた。





これが、この世界で出来た俺の家族。

深緑の森の狼一家との出会いだった。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ