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冒険とかしてみる。  作者: 日向猫
序章 ばしまりのはじまり
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第3話 チートですか、そうですか

連続投稿タイム

何処まで続く連続投稿。





 「異世界ですか?」


「うむ」


そうですか、異世界ですか。

ほんとうにありがとうこざいます。


思わず土下座しそうになった。

SS大好きです。トリップ、転生物大好物です。

オリ主に俺はなる!

なんて夢みたいなことホントにあるとはなぁ…。


死後だけど。


死後だから転生か?


「正確にはトリップとやらに近い」


うおっ!

思考読まれた?



「強すぎる思念は駄々漏れだ、読む気が無くても聞こえてくる」


さーせん。



「しかし、異世界と伝えた途端に思考が駄々漏れとは、そんなに好きか?」


「大好物ですっ!!」


打てば響くみたいに返したった。うへへ。


「そうかそうか」


なんか呆れた顔されたお。


と、いかんいかん、冷静になれ俺。


ひっひっふー、ひっひっふー、ってこれ違う。


「落ち着いたか?」


「なんとか」


ようやく落ち着いたところでお話再開。



「先ほども言ったが転生というよりトリップに近い」


「はぁ?」


「まずお前の肉体をあちらに新しく用意する。

 次にお前の魂をむこうの輪廻に登録する」


「で、肉体に魂を宿すと?トリップっていうより憑依?」


あれ、でも肉体は俺のなんだよな?だったらトリップになるのか?

一から用意するなら転生でもよくね?

そのへんの定義はよく解らんな、まぁいいか。

とにかく異世界でやり直す。

それでよしだ。


「ふふ、なかなかに潔い」


「ぐは、また思考もれてた?」


「駄々漏れだ」


はずいっす、相手が神でもはずいっす。


「あぁ、そうだ、なにか望みはあるか?

 ある程度ならお前の言うちーととやらをくれてやる」


ま・じ・で!!


落ち着け俺、冷静に考えろ。

ここで間違えれば一生後悔するぞ。


「あの、ちなみに俺が行く世界はどんなとこでしょうか?」


そうだ俺、まずはそれを聞かねば。

今までのような世界で大量破壊兵器貰ったって意味が無い。

魔法とか使えても意味が無いのだ。


その場合は生活に関わるものとか、運とかその辺を…。


「ふむ、俗にゆう剣と魔法の世界だ」


ファンタジーきぃたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!


ならば無限の魔力とか、良くある王の財宝とか…。



「あぁ、ちなみにお前は向こうの魔法は使えぬからな」



………………なんだと。


「え、なにして?」


「言ったであろう、転生よりトリップに近いと」


「そ、それと魔法が使えないのはどんな関係が?」


ワナワナと身体が震える。

ファンタジー世界の代名詞とも言える魔法が使えない、……なんて生殺しだ。

酷い、酷すぎる。


「お前の肉体を構成するのは此方の世界の元素だ、この世界に魔法はない」


あとは言わなくとも解るなと言われた。

ぐすん、つまりこの世界に元々無いものを向こうに持っていけないと言うことか?


「正確には向こうの理を此方の人間では使えないという事だ」


だからトリップに近いと、そう言う事か。


少々呆れ顔だが神は説明してくれた。

正確にあちらの世界に転生するのは、あちらで寿命を全うしてからと言うことになる事。

それまでの生は、いわば準備期間であり、猶予期間だと。


人ひとりの人生を猶予期間としてぽんとくれるとは、さすが神太っ腹である。

まぁそんなわけで、俺に向こうの理が完全に適応されるのは、向こうで死んでからになるらしい。

その頃には、俺と言う自意識も洗い流される。

そして新たな生命として生まれ直すので、今の俺には関係ない。


そんな訳で、向うの理に影響を受ける魔法を使用出来ないそうだ。

しかし、悪い事ばかりではない。

悪意ある理の影響も受けないというのだから。

つまり、誰かが俺を害そうとして魔法を使っても勝手に無効化されるという事だ。

俺は向うの世界に行くことで、意図せず擬似的な完全魔法無効化能力を与えられるわけだ。

しかも回復や、補助系の魔法はバッチリ聞くのでいい事ずくめだ。

まぁ、そう思わねばやってられん。

一つ目の望みは絶たれた。

チートで能力の一つや二つ貰わねば割に合わないな。


「かまわんよ、もっとも世界を壊すような力は与えられんが」


また思考が漏れていたらしい。


「それでどのような力がほしい?」


「んーと、時間操作とか重力操作って可能ですか?」


思いついたのはこの二つ、他にも候補があるが、まずはこの二つがいい。

ゲームや、アニメでは地味目な能力だが、俺が思うにこの二つは最強じゃまいか?


この二つの能力を組み合わせて行使すれば、あんなシーンやこんなシーンを再現できる!

なんて考えいた。


「ふむ、まあよかろう」


やった!これで勝つる!!


「しかし、制限は設けさせて貰う」



「重力操作は影響範囲を、時間操作は停止のみにし制限時間を設ける」


ぐぐ、まぁ当然か。

しかし、それでも十分強力なはずだ。


「それとどちらの力も世界への影響を無しにさせて貰おう」


「ちょっとまてーーー!!」


なんだよ世界に影響しない重力操作って、時間停止って!!


「使えねぇよ、そんな能力でなにしろってんだよっ!!」


「ふん、安心しろ、影響を無しとは言ったが悪影響を齎せないというだけだ」


うん?


「たとえば、時間停止した場合、全てが止まってしまってはお前は闇黒の中で固まり、

 身動き出来ずに窒息する事になる」


あう


「それを緩和して、止まった時間の中で自由に動けるようにしてやるといっておるのだ」


あ、ああああ、なるほど、たしかに、たしかにその通りです。

やばかった、下手したら時間止めた途端冥府へ一直線だったぜ。


「あ、じゃあ重力操作の方は?」


「そちらも考えている、操作範囲は設定したからな。あとは世界に対して深刻な影響を

 与えることが出来なくしよう。

 ようは、お前から世界に対して害あることが出来なくするという事だ。」


どんな超常の力をもってしても、俺は世界を壊せなくなるという事だ。

ただし、俺が制限を受けるのは世界に対してのみであり、生き物や人工物に対しては

制限を受けないそうだ。


「あとは幾つかの制限を課しておけば問題なかろう」


と神は付け加え、不適に笑った。

結果、二つの能力はこのようになった。


重力操作(グラビティアクセル)

影響を与えるのは自身と自身が触れているものに限定される。

重量は影響しないが、熟練度によって左右される。

世界に対して悪影響を及ぼそうとしても自動で無効化される。


時間停止(カウントストップ)

重力操作(グラビティアクセル)との兼用可。

時間停止中に自由に動ける反面、使用者は呼吸を止めていなければならない。


「他にはなにかあるか?」


「はいっ!先生!強靭な肉体がほしいです!」


びしっと手を上げて告げる俺。

考えて欲しい、せっかく手に入れた能力だが、今と同じ生身で使うとどうなるか。

重力操作(グラビティアクセル)で音速を超えるスピードを出したら、生身の肉体はどうなる?

操作中はいいかもしれない、しかし、何かの拍子に能力が解除されたら?

死ぬね、まず間違いなく死ぬ。


「なるほどな、たしかに肉体強度は必須か」


もはや思考を読まれても何も感じないぜ。


「そうだな、輪廻の準備が整うまで早々に死んでもらっても困るし、いいだろう」


おおっ!


「お前に強靭な肉体と、外的要因で傷つかない為の盾を与えよう」



「やったまじっすか?」


……それ、なんてチート?


これで俺、無敵じゃね?

そう考えていた訳だが、世の中そんなに甘く無かった。


「ちなみに、傷つかぬのは、能力を使っている時だけに限定させてもらう」


「えぇ~!」


不満が口をついて出る。


「当然であろう?物理的に肉体が存在する以上、世界の物理法則は適応される」


「ちょっと待って、たしか世界の理から、俺は外れるはずじゃあ?」


「その通りだ、お前はあの世界の理から外れる存在、しかし、全ての理から外れれば

 あの世界にも存在できなくなる」


ああそうか、もっともだ。

世界の中に居て、世界から完全に外れれば、それは存在しないものと同じだ。


「それに言ったであろう?お前が影響を受けないのは害のある理だけだと」



「あ」


そういえばそうだった。

なら普通にするだけで害がない理は、無効化されずに適応される訳か?

だったら物理法則は適応される訳だな?


ただ能力を使用する事によって、生身で耐えられない状態になった際、外的要因から守られると。

そのための盾、そう言う事か?


神を見れば、正解とばかりににこやかに笑っていた。


「だがあまり過信するな、盾はあれど傷つかない訳ではない、鍛えねば意味が無いのだ」


いかに、害のある理が弾かれるとはいえ、害のない理は影響を与える。

たとえば、蹴った石が跳ね返って俺に当たれば、俺は痛みを感じる訳だ。

そうした、不慮の事故などに備える為にも、鍛える事は重要なのだ。

いかに防御に優れようと、元がへぼけりゃ動けないのだ。

いざと言う時、身動き出来ねば意味が無い。

後はまぁ、運次第。

危険には極力近づかないのが吉って訳か。

思案に耽る俺に神は言う。


「それに人ひとり、傷つけずに無力化することなど、造作も無かろう?」と。


過信するな、か…。


「あ」


「ん?」


「だったら、俺にRPG見たいなレベル制を付与してくれませんか?」


「レベル制だと?」


自身や他者の能力や技能を視覚化する。

鍛えたら、鍛えた分だけ目に見える形で数値化される。

これなら鍛える意欲も湧くし、他者との違いもわかる。

どうだろうか?


「ふむ、強さや技能の数値化か、たしかに面白い試みだ、悪くない」


「では!」


顎髭を撫でながら頷き神は言った。


「新しい試みである、お前をテストケースとして許可しよう」


上手くいけば、新たに作る世界の理に加えてもいいしなと神は笑った。


「さて、これでよいな?」


「…ぁ~」


最終通告。

かつて生まれ育った世界にさよならを言う時だ。


「あの、最後にひとつ、聞いてもいいですか?」


神は後ろで手を組み、俺を真剣な顔で見据えた。


「申してみよ」


余りに真剣な眼差しに、ビクリとしながら言う。


「俺の両親はこれからどうなりますか?」


神は一度目を瞑り、ゆっくりと開いた。


「お前の両親は強いな、お前の死を乗り越えて、きちんと天寿を全うしよう」


「そうですか」


ほっとした。

肩の荷が下りた気分だ。

気に病んでなければそれでいい。

父さん、母さん、ごめん、ありがとう。


「では、送るぞ」


「はい」


そうして俺は、この世界に永遠の別れを告げた。






































目覚めたら幼児だった。

森の中に棄てられていた………、神様、これはあんまりです。




俺の異世界生活は初日から波乱に満ちていた。





長々とすいません。

チート貰って即投入のつもりがこんなに長くなってしまった。

次回から異世界突入。



2.20 一部説明を追加。

ちなみに、人や魔物の攻撃も害意があれば理の範疇に入ります。

でも威嚇のつもりで攻撃されたら、傷ついたりします。

その辺の匙加減が難しいですね。

絶対傷つかない主人公など、書いてて面白くない訳で。

そんなロシアンルーレットみたいな人生を歩むことになる

主人公なのです。

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