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冒険とかしてみる。  作者: 日向猫
二章 冒険者、はじめました
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第18話 検証 前編



 ギルドカード。

もってて良かったギルドカード。


翌日、力の検証を行うべく、人目を離れて街の外を求めたわけだが。

ここで1つ問題が浮上。


街の出入りには、身分証の開示が求められるのだ!


うん、知らなかった。

入るときは、おっさんと一緒だったし。



出入りだけでなく、街の主要な施設を使うには、身分証の開示が必要だと言う。

定住者なら、市民票。

旅人なら、旅券。

と言うように、冒険者ならギルドカードと言う訳だ。


身分証を持たぬものでも、ある程度の審査の後、出入りは出来る。

しかし、その行動は記録され、使える施設は制限される。

その場合、ギルドに登録してギルドカードを求めるか、

役所へと願い出て、滞在券を受けとるか。

家を買うか、借りるかすれば住民票の発行が可能になる。

しかるべき税金を納め、在住のむねを報告すればよい。


まあ、そんな感じでよそ者には少々行動し辛い街である。

この国では、どこの町も似たようなものらしい。

とっとと身分証を得るほうが手っ取り早いのだ。


逆に、いつまでも身分証を持たぬほうが、なにやら疚しい事でもあるのかと疑われる。


そんな訳で、持ってて良かったギルドカードと言う訳だ。



早朝、まだ朝も早い時間であるが、街の門は開いている。

朝靄の中、街の出入り口である正門へ向かう。

門の脇には守衛が立ち、出入りするの者を管理している。

守衛に近づいてギルドカードを提示する。

カードを確認した守衛に、出入りの理由を尋ねられた。

俺は、「昇級試験の為の鍛錬だ」と答えて置いた。

背に持つ大剣を示すと、守衛は納得顔をして「頑張って下さい」と言ってくれた。


気恥ずかしくなった俺は、無言で歩みを進め、手を振って答えて置いた。

目指すは、街近くの丘だ。





街からさほど離れていない丘の上。

朝霧が覆い、周囲を白く染めている。


この分なら、しばらくの間は派手な事をしても誰かに見られる心配はなさそうだ。

とりあえず、この三週間で新たに解った事を確認しておこう。



もっとも重要な事、俺は数値に縛られている状態だという事だ。


これは基礎能力の数値によって、自身の状態にダイレクトに影響を与える事を意味する。

特に思考や判断に影響を及ぼす、知力と精神力は重要だろう。


一度、基礎能力確認しておこう。


器用度 13

敏捷度 15

知 力 8

筋 力 18

生命力 15

精神力 10


現在の数値はこのようになる。

基礎能力は、身体的、精神的に大きな影響を及ぼす事は既に確認している。

器用度は、手先の器用さや、何かしらの作業の成功率に大きく影響する数値。

敏捷度は、動きの早さや、全ての行動の速度に補正を与える数値。

知力は、思考や判断などに大きく影響する数値。

筋力は、力や体力に影響する数値。

生命力は、肉体的頑強さに影響する数値。

精神力は、精神的反発に対する抵抗力に影響する数値。


大凡だが、たぶん数値の意味合いはこんなものだろう。

他にも隠し数値や項目があるかも知れない。

そう思ったのも、ある事が原因だった。


知力が上がったからか、それとも他に理由があるのか、良く解らないが

ステータス表示自体に新たな項目が増えていたのだ。



ロム・ルフ(聖名)

15才 男



器用度 13

敏捷度 15(+1)

知 力 8 

筋 力 18

生命力 15(+2)

精神力 10


基礎レベル8

 一般レベル4



戦闘レベル2 

 冒険者レベル2(ランクF)

  冒険者技能

  ファイターLv2

  レンジャーLv1

 

称号

 ロム深狼ルフ(聖号・聖名)  

 駈け出し冒険者

 お使いマスター

 アルバイター


装備

 鎧  平民の服(麻)

     必要筋力0

     防御力1


 武器 赤の大剣(魔法武器)耐久度4000/4000

     必要筋力16(-1)

     攻撃力4

     クリティカル値-2

     追加ダメージ+3

     魔法ダメージ+1

     軽量化(永続)

     耐久度上昇(限定)

     炎属性付与(永続)





 予備 深狼の長剣(不壊)

     必要筋力12

     攻撃力3

     クリティカル値+2

     追加ダメージ+2


技能Lv  才能限界Lv


戦闘技能Lv2(MAX4)

  剣戦闘Lv1(MAX4)

  槍戦闘Lv0(MAX3)

  弓戦闘Lv0(MAX2)

  格闘LV0(MAX3)

生活技能Lv2(MAX3)

  生存術Lv3(MAX3)

  鑑定Lv1(MAX3)

  一般常識Lv1(MAX1)

生産技能Lv1(MAX3)

  調理Lv2(MAX2)

  道具作成(アイテムクリエイト)Lv1(MAX3)

特殊技能Lv2(MAX4)

  重力操作(グラビティアクセル)Lv3(MAX4)

  時間停止(カウントストップ)Lv2(MAX4)

  究極なる防害(アルティメットガード)の盾Lv1(MAX1)

  深狼の咆哮ルフ・クライLv1(MAX1)

  大いなる獣の眼光Lv1(MAX1)

  獣の本能Lv1(MAX1)

魔法魔技能Lv0(MAX0)


幾つかの新しい技能が増えたほか、母から与えられたものの使えなかった技能が

項目に増えていた。

これは基礎能力の影響だろうか?


他には称号の項目。

これは、母から与えられた名がある事から、何らかの行動によって増える

呼び名のようなものの様だ。


そして注目すべきは、基礎レベルと戦闘レベルである。

基礎レベルの大凡の見当はつく。

基礎能力を上げたら、レベルアップした事を確認した。

つまり、これは基礎能力の総合的なレベルと言う事だろう。


重要なのは、基礎レベルは基礎能力が上昇するとレベル上がるという事だ。

基礎レベルに関しては言えば、レベルが上がるから基礎能力が上がるのではなく、

基礎能力が上がるから、レベルが上がるという事だ。

つまり、基礎レベルは目安であってさして重要性はない。


しかし、戦闘レベルはその逆である。

訓練を兼ねた、おっさんとの模擬戦中にレベルアップを確認した。

そのとたんに、戦闘技術が若干の向上を見た。

新たな技能を獲得し、基礎能力にプラス補正がついた。


どうも基礎レベルが高いことが、戦う事の強さには直結しない様だ。

これが一般人なら違ったかも知れないが、俺は数値に縛られている。

結果、基礎レベルは、あくまで基礎の強さでしかない事がわかった。

なぜなら、おっさんとの訓練中、俺は手も足も出なかったのだから。

身体能力は俺の方が高いだろう、しかし我武者羅に動き回る俺に対し、

おっさんはほとんど動く事無く俺を無力化して見せたのだ。


だが戦闘レベルの上昇とともに、ほんの気持ち程度だが対戦時間が延びた気がした。

この世界で闘う強さを得るには、戦闘レベルを上げる必要があるという事だ。


数値に縛られている俺にとって、この二つのレベルこそが命綱といえる。

基礎能力を上げ、戦闘レベルを高める。

そして技能を使いこなせば、俺は爆発的に強くなれる訳だ。


数値に縛られるという事は、逆に考えれば数値の恩恵が受けられるという事だ。

低ければ意味がないが、高ければ高いほど強くなれる。

限界はあるだろうが、この世界の一般的な人間と比べれば遥かに高いだろう。

既に基礎能力は上回っているはずだ。

あとは、知力と精神力を中心に上げ、戦闘レベルの向上に努めよう。

問題があるとすれば、戦闘レベルの向上には、戦闘に関する経験。

所謂、経験値が必要だという事だ。

訓練では、どうも微少しか経験値が入らないようだ。

この12年間で、ゴブリン相手に戦闘しても、戦闘レベルは1の状態だったようだ。

スタートが0だとして、ゴブリンと初めて戦ったのが13の時。


2年間かけて、1しか上がっていない事になる。

頻度は低かったし、戦いとは呼べない無様さだったから仕方がないとはいえ、

経験は経験である。

つまり、あれ以上の経験を積まねば戦闘レベルは上がらないという事だ。

今から考えただけで鬱になるが、仕方のない事である。

見えぬ隠し数値の存在も気になるが、今は考えても仕方のないことなので

保留にして置こう。


あと、技能に関してはこの世界固有のもののようだ。

所謂スキルと言うものである。


親から子に受け継がれるものや、誰かから学ぶもの、経験から発生するものと様々だが

この世界において、これらは目に見える形で確認出来る。


ギルドカードのように、身分証となっているものに、ステータス画面のような

技能確認画面が表示されるのだ。

どんだけ多機能なのかと突っ込みたくなったが、それはこの際置いておこう。

なにかしらの魔法アイテムだから、で済ませることにした。


とにかく、確認出来るらしいので確認した。

ギルドカードの表面が変わり、技能確認の画面が現れたのだ。

とんでも技能のあるこの世界で、技能とは一般的なものである事が知れた。


これは大きな前進である。

今まで、周囲の反応が怖くて、貰った技能を使えなかったのだが。

俺のような戦闘に関する技能持ちも多くいるそうだ。


それがどんなものかは知らないが、誰かに見咎められても、技能の一言で済むのだから。

これで1つの懸念事項が解消された。


これで思う存分力を使えるのだ。

道具作成のように、秘匿するべき技能もあるが、重力操作のような

目に見えぬ力なら、使ったとしても気付かれる事はあるまい。


検証する上で、どれ程の事が可能で、どこまで人前で使えるかも試しておかねばならない。


さて、検証を始めよう。







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