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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。

"Let's us laugh at Tragedy!"

掲載日:2026/03/24

月の夜は好きだ

石で作られた僕の躰でも、動き出して君を抱きしめられるから



君もそれを知って居て

月の夜になると、必ず僕の建てられた公園に君は来てくれる


言葉を交わす事は互いに出来ないけど

僕が守るように腕でそっと包むと、君は一雫だけ涙を流す


二人共、それ以上は必要が無くて

僕らはまた、それぞれの世界で生きるために離れ離れになる



君は気付いて居ないが、それをいつも男の子が視て居る

人間には視えない躰をして居て、人間から『幽霊』とも『悪魔』とも呼ばれる事が有る存在だ


彼も、君の事を愛している

しかし少年は君に触れる事も、話し掛ける事も出来ない


僕が君を腕に抱く夜、少年は涙を流す

声も無くひとしきり泣いたあと、感情の無い顔で僕を視て


そして、何処かへと去っていく




また、月の夜が来た


僕は君を抱きしめようと腕を広げたが、何かがおかしかった


君の背に腕を回した刹那、僕の足首が割れる

幾ら望もうとも止まる事の無い瞬間が、スローモーションで眼の前で繰り広げられていく



僕が、自らの切なる意志に逆らって、前へ前へと倒れ込んでいく


恐慌のようになりながら、地面に両手を突く


君を、押し潰してしまわないように



だけど

儚い音を立てて、僕の両手が砕ける


───神様


───神様、もし居るのなら



─────この人間を、どうかお救い下さい



僕の下敷きになって

君が果実のように、紅いものを躰じゅうから吐き出し続けて居る


それを絞って居る機械は、僕自身だ



地面に叩き付けられた衝撃で、僕の四肢はへし折れて、首はねじ切れた


ごろごろと僕の視界が転がっていく


転がった先で

あの少年を視界に収めて、僕の世界は静止した



彼は嗤って居た


君がいまどんな姿になって居るか、僕には解らないが



それでも、総ての末路を視て

少年は月光の下、泣きながら嗤い続けて居た

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