第5話 ダンジョンに潜ろう
俺たちはダンジョンでたくさん魔物を討伐した。
ミード・ガンデくんが加わったので捗る。
宝箱も3つ見つかった。
おかげで金を稼ぐことが出来るようになった。
これはとても嬉しいことである。
金を稼げるようになったので、意固地になってとらなかった休憩時間を作れるようになった。
「疲れるな〜ダンジョンって!」
「君は、以前は何層まで潜っていたんだい」
「3! ダンジョンって構造が難しくてな〜」
「そうか」
ダンジョンには階層というものがある。
細かい説明は省略するけれど、1層から3層は、日夜成長を続ける「生きダンジョン」であっても構造が変わらない安全地帯である。
俺は普段4層から7層をメインに活動している。
ここらへんから、俺の身に宿った類まれなる直感能力がなければ構造を理解し先に進むことができなくなるし、なんなら運が悪いと帰れなくなる。
「そういえば、お前って金が欲しいんだ?」
「質問の意図は」
「だって知らねーもん。知りてーじゃん」
「答える義理などは有り得ないよ。理解とは結果から一番縁遠いものだよ、ミード・ガンデくん。君が知る俺は『ビカム・LAUGH・トゥギャザーという名前』『金が欲しくて探索者になった』という事だけ。それだけでいい筈だ。何が目的だ」
「自分のこと知られるの嫌なんだ」
「弱みは握らせない。どうしても知りたいというのならば自分で調べてくれ」
「えー?」
不満そうな顔をしている。
「このまんまじゃお前多数の人間から『意味もなく大金稼ごうとしてる無謀な若者』でしかないよー」
「俺をどう認識するかは君たちの勝手だ。俺はバカでも構わない。それで金が稼げるのならばね」
「キモ」
ひどい。
休憩時間を終えてから、続きを行う。
ちなみに魔物から剥ぎ取った素材や宝箱等はマジックバッグという物に入れる。
見た目は小さな腰巾着だが、80トンほどの容量を持つ。
探索者は大抵これを持っている。
ミード・ガンデくんは持っておらず、今までどうやって来たのか問いただしたくなるところだったが、面倒だったので俺のものを貸す。
「死体だって持ち運べる」
「そんなことばかり言ってると嫌われちゃうぞ」
「何の問題はないよ」
魔物を討伐したら、素材を剥ぎ取り、マジックバッグに詰め込めるだけ詰め込んでいく。
「うん、今日は大漁だ。君のおかげだ。ミード・ガンデくん。どうもありがとうございます」
「どういたしまして」
しかし、やはり実力として獣人に追いついていない。
現時点でやはり俺はお荷物になってしまうだろう。
……となると、やはり捨てられてしまうだろう。
すると、俺は彼の家族友人を殺さねばならない。
鍛えよう。強くなろう。
レオン・フライメルくらい強くなろう。
円剣盾流だけでなく、いろいろなやり方を取り入れて、どこまでも強くなる方向性を模索しよう。
なんなら、能力者にもなりたい。
まぁ能力者など現実的ではないが……。