位相華
意識が三次元へ降りるとき。
まず意識があり、そして振動がはじまった。気配が生まれ、意識が凝縮され、形と重さを生んだ。そして水。ひとのからだは水でふくらむスポンジようの。
あなたは陸の泉からそのひとに水をつぐ、揺らす、そそぐ、揺らす、たぼたぽたぽたぽた
水を入れる、吐き出される、はく、いれる、はく、いれる、はく、ぽたぽたぽたぽ
目を開けると
あなたは白い水の底に立っている
貴方が水を入れる、その人を揺らす、はく、はかれる
時間を縫い合わす、記憶の赤い縁どり
やさしさというねじれ、よりそいという混じりけ
重たさと形にとまどい、ただ抱き合うだけ
記憶の中へひとはよみがえる
だれよりもなによりもさきに、起きたそのこと
一方が水を注いで揺らし、もう一方の水がこぼれ出た…その前のこと
あなたは水を入れる、忘れてしまう、水を入れる、水を、はく、いれる、はく、たぽたぽた…わすれてしまう
その先へ






