転生しました?
続くかもしれないし、続かないかもしれません。
朝、目が覚めるように僕は覚醒しつつあった。
毛布にくるまっているような暖かい場所なのだが、とても窮屈で身動きが取りづらい。おまけに真っ暗だ。
「#####……?」
声も上手く出せそうになかった。
固まった身体を伸ばそうともがくのだが、硬いものに覆われて動きづらい。
自由に動けないもどかしさに悶々しつつ、それでも僕はなんとか動かそうとゴソゴソした。
足は踏ん張れないが、窮屈なお陰で踏ん張っているのと同じ効果を得る事は出来ていた。
足よりはほんの少し自由に動かせる手を、突っ張らせたり叩いたりしていると、ピシッと言う音と共に光がほんの少しだけ入ってきた。
僕は喜び勇んで、その光が入ってきた所を集中的に触り始めた。
そしてついに、暗がりから完全に解放されて、眩しさに目を顰める。
目が慣れてきた所で、最初に飛び込んできたのはなんと大きな龍の姿だった。
僕は驚いて悲鳴をあげた。
何故龍と言う生き物だと分かったのかと言うと、ラノベの挿絵やアニメで見た姿とそっくりだったからだ。
その龍は舌を出して近付いてきた。
食べられる!最初はそう思って目をギュッと瞑ってしまったが、龍は僕の身体を優しく舐めるだけだったし、どこか安心する匂いでくすぐったかった。
もう一度龍をよく見てみる。
黒い大きな身体。何処へでも飛べそうな翼。太くて強そうな尻尾。そして大きな口には尖った牙とピンク色の柔らかそうな舌がのぞいている。
しかし僕は直感的にこう感じ取った。
「お母さん?」