フィジカルつよつよJK
あたしは早見雛衣。高二。クラスで一番背の低い女子。
着る制服はSサイズだし、履いてるローファーもSサイズ。だからパッと見小学生みたいとか言ってくるやつもいる。大きなお世話だけどね!さすがにあたしがランドセル背負ってたらマズイ。もうすぐ17歳だし、ちゃんとブラもしてるし、パンツだって子供用じゃおしりがつっぱって入らないっての!
でも、あたしのまわりの女子は、オトナ体型になってから身体に脂肪がついて、身体が重くなったような気がするとよく言うけど、あたしは自分の体を重いと思ったこと一度もない。鉄棒だって縄跳びだって、小学校の全盛期よりもっとやれるはず。
本当は身体動かすの大好きで、休みの日でもいつでもスポーツして遊びたいくらいだけど、男子並みの体力で遊ぼうとすると周りから浮いちゃうから、あんまり出来ない。部活とかしてないのも、これが一つの理由。
だからあたしはいつの間にか、自分のこの有り余る元気さを他人のためだけに使うようになっていった。だって、周りの空気読まずに遊んでばっかいるのは非常識だけど、頼み事された時に全力を出すのはごく普通。常識じゃない?
あたしはみんなからいくらでも頼み事請け負って、どんだけでも働いてあげる。
どんっなに大変な仕事でも、あたしが頼まれたからにはぜーったいやり遂げる! それがあたしの特技。平凡で小さくて目立たたないあたしの、唯一自分の誇れるところ。