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DOD  作者: 牧場サロ
1/2

プロローグ(前編)

!警告!

グロい描写は書かないように心がけていますが、


話の性質上

     死

     人

     が

     た

     く

     さ

     ん

     出

     ま

     す

      ので、


そういった話が苦手な方は今すぐブラウザを閉じて下さい(←これまでに何度も世界滅ぼしといて今更何言ってんだ)。


追記という名の保険:息抜きのつもりで書かれた小説ですのでいつも以上にガバです。


ガバ作者:牧場サロ

「ハァ〜…ついてねぇ…。」




 気がついた時には、完全に周りを囲まれていた。


 薄暗く不気味な廃墟の一室。

 黒いスーツにサングラスの男たちが8人、俺に銃口を向けている。

 俺に残された選択肢は、無様に両手を上げる以外なかった。

 そりゃあクソデカ溜息もつきたくなるってもんだ。


「ッたく…誰だよ簡単な依頼だとか抜かしたやつは。」


「簡単な依頼だったじゃねーかよ。」


 思わず口から不満が漏れたところで、ふと背後から聞き覚えのある声が聞こえ、同時に全てを察した。




「ただ捕まって殺されるだけのお仕事だ。な、簡単だろう?」



 予想通りというか、案の定、丸々と肥えた男が醜悪な笑みを浮かべていた。



「…そういうことか。全部テメーの仕業か、ガズ。」


 ガズ。

 今回依頼してきた男だ。

 依頼内容は、今俺が囲まれている場所で密輸取引があるから中身を強奪しろというものだった。


 …が、実際には取引など行われておらず、一瞬で囲まれて今に至る。


 つまり、俺は嵌められたのだ。


「全く、珍しく報酬弾んだと思えばコレかよ…何が目的だ?」


「そんなモン、お前が気に食わないからに決まってるだろ?」


「…ハァ?」


 何言ってんだコイツ。


「ドッド、お前のせいで俺のクライアントはことごとく潰されていった…そのせいで俺は約束された将来の安泰を失ったんだ!それなのにお前はどんどん名前を上げて、今や『怪傑D』だなんて2つ名までついてやがる。だから気に入らねぇ、ブッ殺す。」


「…」


 呆れて何も言えなかった。

 ただの逆恨みじゃねーか。

 これまで色々とテメーの依頼をケチくさい報酬…もとい格安で引き受けてやった恩を、仇で返されるとはな。


「ついでにお前の首を差し出して俺は賞金を得るってわけよ。」


「そっちが本命じゃねーのか?」


「どっちもだ!!」


 あっそ。

 どーでもいいや。


「…何だその余裕そうな顔は。」


「いや、別に。ただ、ついてねーなと思っただけだ。」


「ハハハ、そうだな。確かにお前はついてないな。ここがお前の墓場だドッド!!」


「いや、本当についてねーのは…テメェらの方だよ。」


「なに?」


 直後。

 黒服の男が1人、撃たれた。


「は?」


 そして1人、また1人と撃たれていく。


「一体どこから!?」


「う、上だ!!」


 気づいた時にはもう遅い。

 『彼女』は既に着地し、暗闇と同化しつつ音を立てずに走り回り、一人、また一人と確実に葬っていく。




 そして。




「ば、バカな…」


 黒服達は全滅し、俺とガズだけが残された。


「さて、と。」


 おもむろに自動拳銃を取り出し、ガズに向けた。


「グッ…」


 正体不明の銃撃者に気を取られ、一瞬俺への反応が遅れつつ、ガズも俺に銃口を向けようとした。


 だが。


「ぐお?!」


 影の銃撃者はそれを許さない。

 ピンポイントでヤツの銃を撃ち落とした。


「ひ、ヒィィ!!」


 一目散に逃げ出そうとするガズの右足を、俺は撃ち抜いた。

 当然、ガズはすっ転んだ。

 まるでサッカーボールのようにキレイに転がり、そのまま壁に激突した。


「ぶ!!」


 顔面から壁に激突したブタ野郎に銃を突き立ててマウントをとる。


「ガズ、テメェをそそのかしたのは、何処のどいつだ?」


「!…な、何の事だ?」


 痛みに苦悶していたガズの顔が、一瞬で蒼白になった。


「忘れたのか?さっきテメェは『俺の首を差し出す』と言った。となりゃ、誰かが裏から手を引いているって普通は考えるだろうが。」


 まさか警察や軍に真正面から渡す訳が無い。

 そんなことしたら自分からブタ箱に入りに来たようなもんだ。


 それに、俺の首を欲しがっているのは治安組織だけじゃないだろう。

 見せしめ、俺を殺した実績、etc...使い道は色々だ。

 それが自分の生首だと思うと吐き気がするが。


「し、知らねぇ…全て俺が企てたことだ。」


「ほーん。」


 まあ、そりゃあシラを切るよな。

 そうして俺はガズの左足も撃ち抜いた。


「がッ…ぁ…」


「言いたくないなら別に無理に言わなくて良い。その代わりシラを切る度にテメェの身体のどこかを撃ち抜く。…なぁに、殺しはしないさ。そんなヘマはしない。」


「あ…あぁ…」


 俺の、ある意味死刑宣告すら生温いセリフに、ガクガクと震えだしたガズ。

 その顔は痛みと恐怖で歪んでいた。

 そして。




「ままま、待て!!」




「…何だ?」


「お前を殺すように言ったのは、アドミミック商会のボスだ!!」


 ついに白状した。

 というか、結構な大物じゃないか。

 アトミック商会はこのスラム街を牛耳る4大勢力の1つで、ボスはママと呼ばれるババァだ。

 これで次の仕事は決まったな。


「ご苦労。じゃ、そこでずっとそうしてろ…運が良けりゃ、生きてるうちに誰か助けに来るだろ。」


 そのままスタスタと立ち去ろうとした。

 だが、




(あばよドッド…!!)




 乾いた銃声が1つ、鳴り響いた。

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