南(みなみ) 千里(ちさと) 2年マネージャー その3(挿絵あり)
読んでいただいてありがとうございます。
灰色の月と赤い魔女の本庄 陸です。
こちらでは自慢のリーゼントではなく、髪が伸び整える間も無く物語が進んでいきます。
異界探訪ユミルギカースをまだ読んでいない方、是非読んで本編との違いをご確認ください。
…南 千里 2年マネージャー
その3
「月斗と桐崎!それに京華も居ない。」
陸はその場にいる1人1人を確かめ生存を確認して回った。
「ミクニ!桐崎!桐崎の思考を読み取ってくれ!」
心愛は陸に言われるまま魔法で桐崎の思考を読み取るべく心を固定した。
「???」
「どうした?」心愛の反応に陸が声を掛ける!
「…….めない…」
「??どうした?ヤツは今どこにいる?2人が危ない!」
「読めないの!何故だかわからないけど、桐崎の思考を読み取ろうとしても読み取れない!」
心愛が必死に桐崎の思考を探る。
しかし、いっこうに読み取る事が出来なかった。
その間も陸は、月斗と京華を探し回った。
相手は名前からして桐崎=切り裂き。
鋭利な刃物の様な魔法で攻撃をしてくる可能性がある。
「三国!みんなを起こせ!決して1人になるなよ!」
陸はそう言うと地面に手を置き、土人形を出現させた。
大きさはさっき出したモノよりも随分小さいがその分、同時に3体の土人形が出現する。
陸は土人形に命令をし周囲を探索させる。
3体はそれぞれ別方向に散らばりながら捜索を開始した。
その間、陸は心愛達の元へと戻る。
血で染まっている辺りに堂島もいた。
……がさっきまでそこに横たわっていたはずの南 千里の姿が無い。
「千里は?千里はどこに?」
起き上がった堂島は陸の声を聞くと周りを確かめた。
「千里?千里がどうかしたのか?」
そう言って周りを見回し大量の血に気がつく。
「この血は?まさか?」
「千里が!千里がそこで桐崎にやられて…でも居ないんです!さっきまでそこに横たわっていた千里の姿が!」
「⁈⁈⁈またか?千里も?」
「千里に京華!それに月斗の姿も見当たらない!今、土人形に辺りを探索させてますが…」
「一体どういう事だ?」
血の匂いが辺りに立ち込める。
一体の土人形に反応がある。
陸はその反応した方向へ他の2体の土人形と共に向かう事にした。
みんなの集まっていたバスから約500メートルほど離れた大木の根の陰に人影を発見する。
陸は50メートルほど手前まで近づき3体の土人形を集めた。
土人形は1体を中心に横一列に並び真ん中の1体を残して2体が崩れたかと思うと、真ん中の1体の体が大きく膨れ上がった。
巨大な土人形は陸の命令に従い、大木の根の辺りに横たわる人影に近づいた。
土人形がそれを抱き抱え陸の方へと振り返った。
髪の毛から顔や手まで、全身が赤く染まっている。
「月斗!」
陸はそう呟き、土人形の元へと駆け寄った。
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2027年 日本
「こちら転移反応を検知し、現場へと急行中!」
車は猛スピードで高速を移動し、現場へと急いだ。
「前回の転移から2カ月、ペースが早いですね。」
運転席の男は助手席に座る人物にそう言った。
「巨人世界で何かが起こっている」
助手席の人物はそういうと黙って前方を見つめた。
「着きました」
男はそう言うと車を停め車外へ出た。
同乗していた人物も車を降り、光に包まれたその空間から現れた人影に目をこらす。
男が光から現れた人物の顔を確認し驚きの声をあげながら通信機で報告を始めた。
「転移者確保しました」
助手席から降り横たわる人物をジッと見つめたあと
「おかえりなさい。待っていたわ。これで準備が整った」
と呟いた。




