パズル
もうすぐ完成する...。
約半年、長かった...。
このパズルを見つけたのは一年前、新宿にある古びた雑貨店での事だった。
普段ならパズルのような細かい作業は好きでは無いのだが、何故かこれには惹かれた。
レジへ持って行くと不思議なことを言われた。
確か、呪われているだとかそういった類いのことだった気がする。
家に持って帰り開けてみると...とりあえずピースが多い...完成図も添付されていない。
絵柄は完成してからのお楽しみってことか。
それからパズルの作成を始めた。
もちろん一晩では終わらなかった。
次の日もその次の日も挫折をしながらようやく今日、ここまで来た。
残り1ピース。
絵柄はどうやら髪の長い女性のようだ。
暖炉の前で椅子に腰掛けている。
最後の1ピースは瞳の部分。
雑貨店の店員の言葉を思い出し、
恐怖と好奇心を感じながら
最後のピースを嵌めた。
パズルを完成させた瞬間、
僕の体はピースとなって崩れ落ちた。
「完成させてくれてありがとう。
ようやくパズルから抜け出せる.....。」
女性の声が聞こえ、僕の意識は闇に囚われた。