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九十八話 兄との再会
「探、探………」
探が街を歩いていると突如自分を呼ぶ声がした。
「この声、兄さん?」
その声は死んだはずの兄の声に似ていた。兄は死んだはず、だが気にせずにはいられなかった。
探は夢中で走り出していた。
「探、こっちだ」
その間にも探を呼ぶ声は続く。
声の方へ行くと兄の索が探の魔法使いになった時と同じ姿で現れた。
「にい、さん………」
探は目の前の光景が信じられなかった。
「久しぶりだな、探」
索が声をかける。
「ほんとうに、兄さんなのか………」
だが探は索が目の前で口を開いたのを見て信じてしまった。これは本物だ、本当に兄はいたのだ。
死んでから会ってなかった兄、もういないと分かっても会いたいと心のどこかで感じていた兄、今までその気持ちを隠していたがここに来て表に出てしまった。
「お前、強くなったか?」
索が銃を構える。




