九十一話 爆誕、魔導奏者サグル!
ボスの攻撃は探によって完全に防がれた。
その姿は今までの赤と白のものではなかった。ボスと同じ顔まで覆われた全身がアーマーに覆われた姿をしていたのだ。
緑色をしたそのアーマーは全てを見渡す瞳のように輝いていた。
「探?」
闘華はそれが探なのか分からなかった。
「お前、なのか?」
真司は探の姿が信じられなかった。
「きれい………」
聖麗はその姿に見とれた。
恵美も不思議に探を見つめる。
「君は……何者だ」
ボスは探を睨む。
「我は、全てを見渡す者」
探が落ち着いた声で答える。
「いや、ほんとに君だれ?」
ゼロツーは探のあまりの変わりように誰だか分からなくなった。
「いけ」
探が矢印型のビットを飛ばす。
「君もその口か!」
ボスもビットを放って対応する。
ビットのビームとビームがぶつかり光が弾ける。下手に動けばビットの巻き添えに遭う恐れがあった。
「なにっ!」
ボスは驚いた。この状況で探はこちらに向かってきたのだ。ビームとビームの合間を縫いボスに接近、その顔を殴りつけた。
「ぐはあっ!」
「ボス!」
ボスが吹っ飛びゼロツーが彼を案じる。
「今だ、逃げるぞみんな!」
探が真司達に呼びかける。
「ああ!」
探達が部屋を出て逃走する。
探は最短ルートを検索、逃走用の経路の割り出した。建物に入った時と違い屋内の情報がはっきりと映った、探は疑問を持ったがそれどころではなかった。
窓を発見すると派手に音を立ててそこから外に出た。
研究所を離れると真司が言った。
「俺達はこの辺りでいい、今回は本当に助かった。ありがとう潜縷。それと………」
春樹のことを思い出して気まずくなった。
「気にするな、あいつは元々仇だ。それに、俺が生きてればあいつも本望だろうな」
探の顔も暗くなった。
「とにかく!これからパーッお祝いしようよ!ねっ?」
聖麗が話題を変えようと提案する。
「いや、それは断る」
真司は間初入れず言った。
「駄目よ、なんだかよくわかんないけどわたしを助けてくれた人たちの提案なんだから聞かなきゃ」
恵美が言う。
「わからないなら聞く必要など………」
恵美の言葉を拒否しようとしたがその口に指が添えられた。
「だーめ、聞くの」
真司はため息をついた。
「分かった」
「おい、ところであの格好はなんだったんだ?」
闘華が探に聞く。今はアーマーの少ない覚醒前の姿だが先程は全身がアーマーになっていたのだ。
「さあ、みんなを守ろうとしたらなった、大したこと…………」
「おい」
「探くん!」
探はよろめいて闘華と聖麗に支えられる。
「大丈夫?疲れてない?」
聖麗が探を心配する。
「あの格好、普通の覚醒より体力使うみたい………」
探が力なく答えた。
「あのヴェレインとかいうやつなら何か知ってそうだな」
闘華が言う。
「俺も探ってみよう、正体は気になるからな」
真司が言う。




