九十話 魔導奏者を待つ者
「ぐ、うう………」
『はあぁぁぁぁ!』
三人は気合いを出して耐える。魔力で強化した手のユニット、アームユニットのバリア、二つを補強しつつ自身も防御力を持つバリア、三つが合わさり探への攻撃を凌いでいた。
「なにっ、耐えただと!何十年も魔法使いをやっているわたしの力を!?」
ボスが攻撃を防がれ驚く。
だがそれは長くは持たない、いずれは押し返されるだろう。
やらせない、これ以上大切な仲間を死なすわけにはいかない。探は自分を守る仲間にそう想いを向けた。
「やらせない、やらせるかよ…………」
探は意識を集中させ魔力を上昇させる。
「うわぁぁぁ!」
探は周囲に散った自分や真司達の出した魔力さえ吸収した。
カッ、探から眩い光が放たれた。
「探?」
闘華達が探に目を向ける。
「この魔力量、まさか…………いやありえん、一介の少年がこの量を出すなどありえん!」
ボスは探の魔力量に困惑する。
「なにが起きてるっていうの?」
ゼロツーは状況が掴めなかった。
★
ヴェレインは仲間と共にアジトにいた。
「この感じ、ついに目覚めたね」
仲間の一人が言う。
「今いるのは古参だけだからね。古いのばっかじゃ飽きちゃうよ」
別の仲間が言う。
「魔導奏者の域に達する者はここ二十年いなかったからな、喜ばしいことだ」
また別の仲間が言った。
「時は来た、進化だ、本当の進化がここから始まる」
ヴェレインが言う。
「嬉しそうだね、ヴェレイン。覚醒したのが君が目をかけた魔法使いだからかい?」
仲間が言う。
「そんなんじゃないさ、魔導奏者が生まれることは我々の大義なだけだよ」
ヴェレインは仲間の言葉を否定する。
「そういうことにしておくよ」




