八十九話 たとえ仇となっても命を賭して
「ぐあぁぁぁ!」
春樹は全身にビームを浴びてしまう。春樹は膝をついて倒れる。
「おいっ、しっかりしろ!おい!」
探は春樹を抱き上げて呼びかける。他の仲間達も春樹に近寄る。
「良かった、お前は無事なんだな」
春樹は探の姿を見て安心した。
「無事なんだなじゃないだろ!お前がボロボロになってんだろ!」
その言葉通り春樹の衣服や身体にはいくつも焦げ跡があった。
「なんで俺の格好なんて気にすんだよ、俺はお前の仇だろ?」
春樹は探に心配される理由が分からなかった。
「勘違いするな、他に仇がいるから後で殺そうとしただけだ。許してなんかいない」
探は春樹の疑問を否定する。
「そいつは………悪かったなぁ」
春樹はすまないという顔をして目を綴じた。
「おい、死ぬな!おい!」
探が呼びかけるもう彼は起きない。
探は叫び出しそうなのを我慢し春樹の身体をそっと置く。そしてボスを睨みつける。
「まさか身をていして仲間を守るとはね、だがそれももう無駄死になる」
春樹の死を確認したボスが言う。
その後の光景に探は目を見開いた。
「なんのつもりだね」
ボスも疑問を投げる。
探の前には春樹に代わり真司達三人が立っていたのだ。
「俺たちがお前の攻撃を耐える、一人では無理だが三人なら可能性はある」
真司がボスに言う。
「少なくともこいつが逃げれば無駄死にはならん」
闘華がニヤリとしながら言う。
「ちょっと恐いけど探くんのためなら命くらい惜しくないわ」
聖麗が冷や汗をかいて言う。
「ククク………アーハッハッハ!」
ボスが大口を開けて笑う。この姿はフルフェイスのヘルメットなので真司達にはヘルメットの頭が上を向いてるようにしか見えなかった。
「なにがおかしい」
真司が問い詰める。
「いや君じゃないよ、ゼロのことさ。人口魔法使いともあろうものが他人を守るなどありえんよ、まったくどこでこんなバグが起きたのか」
ボスは笑いの理由を答える。
「お姉ちゃんは正義の味方だからね、人を守るくらい普通よ」
聖麗がふんぞり返って言う。
「というわけだ、バグがあるとしたらこいつの姉になったことだ」
闘華がそれを受けて言った。
「まあいいさ、なら君ごと消えてもらおうか」
ボスが高出力ビームを発射する。




