八十五話 ボスジャミラー登場
ぞわ、探は嫌な予感がした。
「真司!恵美さんを連れて下がれ!新手が来る!」
「あ、ああ。行くぞ恵美」
「うん」
探の指示で二人が下がる。
「この魔力、ボスジャミラーか!」
闘華も魔力の持ち主に気づく。
「ボス?」
聖麗が聞く。
「研究所の所長だ、やつがこの研究所の実験を仕切っている」
闘華が説明する。
「所長、所長、所長てことは一番偉いんだね」
聖麗は所長の意味を理解するのに時間かかった。
「合ってるのになにか違うな………」
真司は微妙な顔になった。
カッ、コッ、ボスが革靴の音を立てて部屋に現れた。
「ごめんボス………」
申し訳ないという顔でゼロツーがボスを見る。
「気にするな、君はよくやった」
ボスがゼロツーを労う。
「お前が、ここのリーダー………」
探がボスを睨む。全身を逆なでするような悪寒が止まらない、見た目はいたって普通のグレースーツなのに得体のしれない力を感じるのだ。
さらには魔力の正確な量を感じることすら出来ない、極小に感じたり膨大に感じたりするのだ。
「ゼロ、わたしは君の裏切りを責めたりはしない」
ボスが闘華に言う。
「どういうことだ、試作品のわたしなどもはや不要ということか」
今までの仲間から裏切り者と誹りを受けた闘華はてっきり彼にもそれを指摘されると思ったのだ。
「いいや、裏切りなどもう問題じゃないということさ。問題は君とイレブンの裏切りを誘発した彼だ」
ボスがニヤリと探を見つめる。
探は息を飲んだ、彼は闘華と恵美の記憶を戻した探を最も警戒してるのだ。




