八十四話 恵美を取り戻せ
春樹と争う真司、イレブンを止める聖麗 が視界に入り探はやるしかないと判断した。
「よっ、はっ」
バスンバスン、ホーミング弾を発射するがゼロツーに避けられてしまう。
速い、探はヴェレインをイメージした。
「なら!」
銃をスナイパーライフルに変化させてトリガーを引く。
「ひゃっ」
弾丸がゼロツーにヒットする。
「でーい!」
ゼロツーがジグザグに動きながら探に接近する。
「はっ」
探は羽根を展開して高速で離れてから弾丸を撃つ。
「あぐうっ。もういや、ちょこまか動くとかわたしの領分なんですけどー」
ゼロツーは悲鳴を上げる。
「ゼロツー!」
帯で聖麗のコードと戦っていたイレブンが声を上げる。
「きゃっ」
伸ばす帯を一端から両端にして怯ませるとゼロツーの元に向かう。
「恵美ー!」
ピシッと音を立て真司のアームがイレブンを縛った。
「ううっ、うう」
イレブンはあがくがアームのコードから逃れれない。
「思い出せ!お前はこんなところで戦ってるやつじゃないだろ!俺とお前は戦っちゃいけないんだ!」
真司が訴える。
「わたしは魔法使い研究所の11号被験体イレブン、あなたの敵!」
イレブンはあなたの知り合いなどではないと真司に叫ぶ。
「今だ!」
探はわずかながらもイレブンの前に彼女の過去の姿を映像にして投影した。
「あ、あああ………」
映像を見るとイレブンは苦しくなり呻いた。映像により眠っていた記憶が目覚めようとしてるのだ。
「あいつ、また………」
「おおっと、お前の相手はわたしだ」
ゼロツーが探を止めようとすると闘華が立ち塞がった。
「しん、じ………」
イレブンが真司を名前で呼んだ。
「恵美!もう少しだ、検索、もっと映像を寄越せ!」
それを見て真司が探にさらなる映像を要請する。
「検索は名前じゃない!」
そう言いながら探は真司の要請に答える。
「パパ、ママ、わた、しは……………」
イレブンが恵美に戻っていく。
「あなたはイレブン!魔法使い研究所の11号被験体なんでしょ!ねえ、しっかりしてよ!」
ゼロツーがイレブンが恵美にならないよう叫ぶ。
「まどろっこしい!一気にできないのか!」
ゼロツーの足止めをする闘華が叫ぶ。
「そんなこと言われても………」
探は苦い顔をしたがイレブンを縛るアームのコードに目が行った。
「真司!触手に投影した映像と彼女に頭を通せ!」
探は真司に指示する。
「なんのつもりだ、まさか………」
真司はすぐには分からなかったが探の意図を理解した。
「はあっ」
触手が映像を読み込みイレブンの頭に入る。通常の読み込みは真司が記憶を見るがこれは逆だ、触手を入れた対象に経由した映像を脳に見させるのだ。
映像の閲覧が完了し触手が抜ける。
「あれ、わたし………なにやってたんだろ」
恵美に戻ったイレブンが首を傾げる。
「恵美!」
真司が恵美に駆け寄り抱きついた。
「し、真司!?どうしたの急に」
恵美が真司が抱きついた理由が分からず戸惑ってしまう。
「いいんだ、お前は無事ならそれで」
真司が泣きながら言った。
「そっか、心配かけちゃったか。ごめんね、真司………」
恵美は優しく真司を抱き返した。
「あんたねぇ………ボス?」
ゼロツーは恵美の状態に怒りを覚えたが新たな魔力に意識を止める。




