七十八話 探、聖麗、闘華、春樹、真司、魔法使い集結
「というわけだ、二人も力貸してくれるか」
探は闘華の自室にて恵美の救出に来れるか聖麗と春樹に聞いた。春樹は自分のものより広い個人部屋に周囲を見渡している。
「この人のねえ」
聖麗は真司に目をやる。初対面の人間の恋人を助けろと言われてもすぐには納得できないのだ。
「わたしのかつての仲間でもあるが他の連中と違い本来の人生がある、だから助けるべきとは思う」
闘華が言う。
「お姉ちゃんが言うならそうする」
聖麗はすぐさま方針を転換する。探と真司はその変わり身の早さに頭が痛くなった。
「お前は?」
探は春樹に言った。
「あ、俺か」
春樹がハッとして探の方を見る。
「お前、話聞いてたか…………」
探は春樹の態度に呆れた、殺意まで沸いてくる気分である。そもそも春樹は探の仇だ、普段殺意は抑えていたが時たま現れるのだ。
「ああ、サイボーグの姉ちゃんの仲間が実はそいつの恋人で…………どうすんだっけ」
春樹は朧気な記憶で答えた。
「おい」
探は疲れたが仕方なくまた説明した。
「オーケーオーケー、やったるぜ!」
春樹はやる気を見せるように拳と手のひらをぶつける。
「大丈夫かこいつ………」
探は心配になってきた。
「それで、研究所にはどうやって行くの?」
聖麗が聞いた。
「そんなものわたしがきっちり覚えている、道案内は任せろ」
闘華が力強く言った。
「いいのか本当に」
真司が言う。
「なにが」
探が聞き返す。
「俺とお前達は無関係だ、命の危機があるのはお前達も同じだろう。なぜそこまでして俺を助ける」
真司は探達が自分の味方をするのがわからない。
「犠牲者は少ない方がいい、死人だの怪我人が増えるのはもうたくさんだ。もうあんな涙は見たくない、それだけだ」
探は聖麗や闘華、春樹を見ながら言った。ただし、春樹には鋭い視線を送っている。
「わたしは死ぬつもりないよ、お姉ちゃんや探くんが一緒だし」
聖麗が羨望の眼差しで闘華や探を見る。
「俺は元より死ぬはずだった命だ、今さら命の危機とか知らねえよ」
春樹は探を見ながら言う。ただし探には睨みで返された。
「変なやつらだなお前らは………」
真司は探達の気持ちにわけが分からなくなったが嬉しさに笑ってしまった。




