七十七話 真司はそれでも恵美を助けたい
闘華は真司にイレブンや研究所の話をすることにした。
「あいつは一年ほど前から魔法使い研究所に来たんだ。研究所では魔法使いとして戦わせるために遺伝子改造や薬物投与、実践訓練が行われている。研究所に来た頃のやつは過去の記憶がなくイレブンと名付けられゼロツーが面倒を見ていた、わたしが知るのはそれだけだ」
「なぜそんなところに恵美が連れてかれた」
真司が聞く。
「恵美さんは運動神経バツグンだからな、元々魔法使いには適してたんじゃないか」
探が指摘する。
魔法使い研究所がどんなところかは真司も闘華の記憶で見た。非人道的行いをされる少年少女、その中に自分の恋人がいたかと思うと気が気でなくなった。
「で、結局どうするんだ?」
探は真司に聞いた。
「恵美を助けに行く、お前の記憶で大体の場所は割れたからな」
目的は極めて明確だった。
「化け物連中が闊歩してるところにか?」
「なに?」
「こいつと同じ超強力な魔法使いがうじゃうじゃいるはずだ、そんなところに行く気かよ」
探は闘華を示して言う。
「ああ、そうでもしなきゃ恵美を助けられない」
真司は固い決意で言う。
「馬鹿か貴様は、死ぬぞ」
闘華が無謀なことを言う真司に呆れる。かつての自分の仲間たちがどんなに強いかは彼女がよく知っていた。
「構わない、それでも助ける。忠告はありがたいが行かせてもらう」
真司はそう言って二人に背を向ける。
「待てよ」
だが探がそれを止める。
「行くのは勝手だ、けど一人でやるのはよせ」




