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六十話 妹はピアノのスランプ
「お前、ピアノはまだやってるのか」
闘華が聖麗に聞いた。彼女は昔からピアノ習っていたのだ。
「うん、でも今はちょっと………」
聖麗が気まずい顔をする。
「なんだ、調子が悪いのか」
「悪いってわけじゃないんだけど………」
「なら一曲聞かせてくれないか」
「いいけど………」
★
ポロロンとピアノの音が奏でられる。闘華は聖麗の部屋で彼女のピアノを聞いた。
「いい、曲だな」
闘華が微笑む。
「でも、最近スランプ気味で………音楽教室の先生にも怒られてばっかなんだ。もうすぐコンクールなのに」
聖麗が悩ましい顔になる。
「聖麗…………。お前はいい子だ、だから音楽も出来る、コンクールにも間に合うさ」
「だといいけど………」
聖麗は再びピアノを奏でたが違和感を感じた。
─────やっぱり変、なんで、なんで上手く弾けないの?こんなんじゃコンクールに出ても入賞なんて出来るわけない。




