五十三話 わたしの妹は不死身なのか
闘華と彼女の父親は仕事帰りに聖麗の病室に来た。
「よ、元気か」
父親が聖麗に挨拶を投げる。
「お父さん、お姉ちゃん!うん、元気だよ」
聖麗は元気よく答えた。
「その具合だと怪我の方も問題なさそうだな」
聖麗の様子を見て闘華が言う。
「うん、お医者さんも二、三日で退院できるって」
「おー、それはすごいな」
聖麗の言葉に父親が関心する。
だが闘華は怪訝な顔をした。馬鹿な、通常あの傷は短期間で治らないはず。自分のような特殊な薬物投与を受けていない限りそんなことはありえない。
「あれ、お姉ちゃんは?お姉ちゃんも吸血鬼にやられたよね」
「そうなのか?」
聖麗に言われ父親が闘華の方を向く。
「わたしは不死身でな、あの程度の傷ならお前より治るのが早い」
闘華はクールに答える。
「さすがお姉ちゃん!」
☆
闘華は帰宅後夕食を取ると外に出た。吸血鬼ゼロワンを討つためだ。探の力など借りない、同じ研究所の魔法使いとして自分がやつを討つという強い決意が出ていた。
☆
夜八時、仕事帰りのサラリーマンやOL達が居酒屋などに寄り道してるような時間だ。遊びに夢中な若者もいる。
その中をゼロワンは歩いていた。待ちゆく一人の女性に狙いを定めるとその首にかじりついた。
「きゃあー!」
女性が悲鳴を上げ血を吸われる。
「ひ、き、吸血鬼!?」
女性の同僚がゼロワンに驚く。
「しゃあー」
ゼロワンはその女性にも狙いを定めた。
「い、いや………」
女性は逃げるが虚しくもゼロワンに噛まれてしまう。




