五十二話 ヴェレインからの特訓
バキュンバキュン、探は弾丸を発射するがヴェレインに当たることはない。ヴェレインはホーミング弾にも関わらず当たらないほどの回避能力を誇っていた。
「く、なんなんだこれ………」
探が悔しさに歯ぎしりする。
「まったく、狙いが甘いねえ」
ヴェレインが背後から現れ魔弾を発射した。
「ぐああっ!」
探はまともに攻撃を受けてうつ伏せに倒れる。
どうすれば、どうすれば当たる。探は考えあぐねていた。
「君の力はそんなものかい?もう少しやれると思ったが、期待外れかな」
ヴェレインが落胆する。しばらく戦ったが探はヴェレインを追い詰めるにはいたっていない。
「まだだ!まだ俺はやれる!」
探が彷徨と共に立ち上がる。
「君ではあの吸血鬼には勝てない。それはもう決定事項だ、諦めたまえ」
ヴェレインがうんざりしたように言う。
「いいやあきらめない、俺は町を守らなきゃならない。もうあんな思いはしたくない、聖麗さんの仇も討つ。俺は今日この夜、やつを倒す!」
探は魔法使いを狩るようになってから彼らの自己満足で傷つけられる人々を見てきた。さらに今回、自分がその一人を逃がしたせいで犠牲者を増やした、知り合いの聖麗まで傷つくことになってしまった。
探はそのことで痛く自分を責めているのだ。そしてその犠牲者をこれ以上出さないためには一刻も早く吸血鬼を倒す必要があった。
探はその思いから自らの魔力を上昇させた。すると背中から半球体のついた羽根が生え、銃がスナイパー型の長いものに変わる。
「ほう、ようやく本気になったか」
ヴェレインの顔が落胆から関心に変わる。
「はっ」
探が銃を構えて狙いを定める。
「だが悲しいな、当たらんよ」
ヴェレインが空中を移動して狙いが定まらないようにする。
探は銃の到着時間、ヴェレインの移動先を検索する。
「そこっ!」
バキューン!弾丸が飛びヴェレインを狙う。
「なにっ」
ズガアァン!と派手な音を立て弾丸がヴェレインに直撃した。
「あたった?」
探は弾丸が当たったことが信じられない。
「いやー、まいったまいった」
ヴェレインがドレスにまとわりつく煙をはたく。
「降参だ」
両手を上げて言った。




