五十一話 さくら、聖麗の見舞いへ
探とヴェレインは近くの河川敷に移動した。
「人払いの結果を張った、存分にやりたまえ」
「ああ、魔法演奏」
ヴェレインの言葉に探が魔法使いの姿になるが彼女はそのままだ。
「あんたは変身しないのか?」
「これがわたしの魔法使いとしての姿さ」
「眼鏡も?」
眼鏡の魔法使いがいるのかと探は首を傾げる。
「ファッションなんでね」
ヴェレインが眼鏡の位置をクイッと指で直す。
「はあ………」
視力矯正用の道具をファッションなどと言う感性が探には分からなかった。
「さあ、はじめようか」
ヴェレインが周囲に魔力の弾丸をいくつも出現させた。
☆
さくらは聖麗のいる病室に到着した。
「やっほー、聖麗ちゃんげんきー?」
勢いよく挨拶と共に中に入る。
「さくら………来てくれたのね」
聖麗がさくらの来訪に感動する。
「あれ、探くんは?」
だが探の不在に不安な表情になる。
「探ならいないよ、聖麗ちゃんの仇を討つのに特訓がいるんだって」
さくらが事情を説明する。
「そう……」
聖麗はその事実に俯いた。
「あー、もしかして…………無理矢理でも連れてきた方がよかった?」
聖麗の様子にさくらが心配して言う。
「ううん。そんなことないわよ、さくらが来てくれただけでも嬉しいわ」
聖麗は努めて笑顔に見せるがすぐに暗い顔になる。
「やっぱり、探いないと寂しい?」
「寂しいってわけじゃないけどせめて顔は見たかったなって………わたし、こんな気持ち初めて………」
そんな聖麗を見てさくらから同情が消えた。
「やっぱ探連れてこなくて正解かな」
「えー、なんでよ!さっきは無理矢理でも連れてきた方がよかったって言ってたじゃない!」
聖麗が怒って言う。
「探がいたらなんかあざといことしそうだから」
「意味わかんないし、わたしそんなことしないわよ!」
「どうだか」
さくらは聖麗の言葉を信用しない。先日彼女が探の家に行った時彼に対して好意を抱いてる様子を見せたのだ。




