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魔導奏者サグル  作者: 兵郎桜花
フェーズ3 吸血鬼ゼロワンあらわる

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五十話 さくらへの経過報告(吸血鬼編)



「さーぐるっ」


登校時さくらが探に呼びかける。


探は無言で返事がない。


「ねえ、探、探ってば!」


「むぅ………」


さくらは再び声をかけるが探は難しい顔で唸るだけだ。そんな探にさくらもぶうと頬を膨らます。


「ちょっと、返事しなさいよ!」


探の顔を掴んで強引に自分の方に向けさせた。


「いたいいたい!急になにすんだよ」


探はたまらず悲鳴を上げる。


「急にじゃないし、さっきから呼んでたし」


さくらが不満を顔に出した。


「マジかよ……」


探は気まずい顔になった。


「もしかして、お兄さんの仇でも見つかったの?」


さくらが探の悩みの種を聞いた。


「その件はもう終わったんだけど」


探は彼女の記憶力のなさに呆れた。


「そうだっけ、じゃあなんで?」


「昨日例の吸血鬼探したんだけど倒しそこねた、被害者も増やした。聖麗さんもその中に入ってる」


探が事情を説明した。


「え、ほんとに吸血鬼と戦ったんだ。てか今なんて?」


さくらは衝撃のワードを逃した気がして聞き返した。


「倒しそこねた」


「違う、そこじゃない」


「被害者増やした」


「でもなくてその後」


「聖麗さん」


「それだよ!聖麗ちゃん怪我したならなんで言ってくれないの!言ったらわたしすっ飛んでいくのに」


さくらが声を荒らげて言う。親友の一大事に駆けつけることは親友の大事な行動としては必須事項だ。


「ごめん、聖麗さんの家族もいたし今来たら邪魔かなーて思って言えなかった。つか俺もまだ行ってない」


探が事情の説明が遅れたことを謝る。


「家族って聖麗ちゃんの家に送ってったんじゃないの?」


さくらは聖麗の状態が把握できず困惑する。


「怪我がひどいからな、病院にいるよ」


「やっぱり、血吸われて………」


さくらは嫌な予感がした。


「直接は見てないががっつりやられてる」


「うえ………」


さくらはその光景を想像して気持ち悪くなった。


「と、とにかく聖麗ちゃんのお見舞い行かないと。学校終わったら直行しよ」


「いや、俺はやることがある」


さくらの提案を探は真剣な顔で断る。


「どうして、友達のお見舞いに行きたくないっていうの?」


さくらは彼の言葉が信じられなかった。


「聖麗さんの仇を討つ、そのためには特訓がいるんだ。だから見舞いには行けない」


探が聖麗の見舞いに行けない理由を説明する。


「探………」


さくらはその顔を見つめると頷いて言った。


「わかった。わたし、探の分までお見舞いに行ってくる、だから探も頑張って」


「ああ」





学校からの帰宅路で探とさくらの前にヴェレインが現れた。


「あれ、あの人この間の」


さくらが彼女に気づく。


「さくら、ちょっと用が出来た。先帰っててくれ」


探が言う。


「うん、こっちは任せて」


「頼む」



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