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魔導奏者サグル  作者: 兵郎桜花
フェーズ3 吸血鬼ゼロワンあらわる

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四十七話 闘華、父の会社に連れられる


闘華は両親と共にかつての自宅、自らの部屋に戻った。


電気をつけ部屋の状態を確認すると自然と彼女の口がほころんだ。


「変わって、ないな」


そう、この部屋の様相は彼女が使っていた六年前からなに一つ変わっていない。変わったとすれば上から被さった(ほこり)だけだ。


その変わらなさが彼女に懐かしさと安心感を覚えさせた。


「それはよかった」


父親もそんな彼女に微笑む。


「お前、学校とか仕事とかはどうしてたんだ」


父親が聞いた。家にいない間もきちんと学校に行っていたかは親として気になるところである。


「そんなものは行ってない」


「なら、お父さんの仕事手伝ってみないか」



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



翌日、闘華は父親に連れられ彼の職場に来た。人よりも車通りの多い場所にあり、看板には魔導エンジニアリング研究所と書かれている。


闘華は眉を潜めた。魔導ということは魔法使いと何か関係あるのだろうか。


「どうした」


父親が闘華の異変に気づく。


「いや、なんでもない」


闘華はきっと気のせいだと思うことにした。


「娘の闘華だ、今日は彼女に仕事の見学をさせようと思うけどいいかな」


オフィスにつき父親が闘華を紹介すると同僚達が自己紹介し彼女と挨拶を交わす。


「あれ、闘華ちゃんっていうと上の娘さんですよね。いつだか誘拐にあったんじゃないかって言ってましたけど………」


同僚の一人が言う。


「昨日見つかったんだよ、下の子が吸血鬼に襲われたところを助けてもらったんだ」


父親が事情を説明する。


「き、吸血鬼?!吸血鬼っていうと今ニュースになってるあれですか?」


別の同僚が驚いて言う。


「その吸血鬼です」


闘華が答える。


「ええー!?じゃ、じゃあ吸血鬼と戦って追っ払ったってこと?」


彼はオーバーリアクションで驚いた。家族を助けるためとはいえ大の男と戦ってまともでいられるなど普通信じられないことだ。


「別に一人じゃありませんよ、たまたま知り合いが後から来ましたから」


闘華は苦虫を噛み潰したように答えた。探の力を借りたという事実は彼女の汚点となっていた。


「そっか。だよね、女の子が男の人に、しかも吸血鬼と戦うとか無理だよね………」


彼は納得したように言う。闘華はその言葉にまた探の力を借りたことを認識させられ不愉快になった。

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