四十二話 闘華、両親と再開す
だが闘華は聖麗に目をやって口を開かない。開いた時には探とヴェレインに期待された言葉は出なかった。
「まずはあいつの治療が先だ。わたしは携帯がない、救急車を呼んでくれ」
「構わないよ」
☆
聖麗は病院に運ばれると両親が現れた。
「聖麗!」
「吸血鬼にやられたって聞いたけど大丈夫なの?」
二人とも心配そうに声をかける。
「お父さん、お母さん………。大丈夫、友達とお姉ちゃんが助けてくれたからそんなにひどくないよ」
聖麗が痛みの辛さをこらえながら答える。
「お姉ちゃん?」
言われて両親が闘華の存在に気づく。
「お父様、娘さんは責任をもって治療します」
医師が言う。
「お願いします」
父親が彼に頭を下げる聖麗が手術室に運ばれる。
父親は再び闘華を見つめる。
「闘華、なのか………」
「本当に、闘華なのね……」
両親は信じられないという声で言う。
「ごめん、父さん、母さん………」
闘華は数年ぶりの再開にどう返したら分からず謝罪しかできない。
「闘華……」
両親は優しく彼女を抱きしめた。
「よくぞ、よくぞ戻ってきてくれた。本当に………嬉しいよ」
「こんなに大きくなっちゃって………」
二人は感極まった。母親にいたっては涙まで流している。
「心配かけた。本当にごめん………」
闘華が再び二人に謝罪する。
「いいんだよ、お前が無事なら」
そんな闘華の気持ちを父親は優しく受け止めた。
「別に、心配なんてしてなかったんだからね」
母親はなぜか年甲斐もなくツンデレのような態度をとった。




