四話 索の日記を読み進めろ②(こうして索は魔導システムを得る)
またページを遡る。
三月□日
俺が手にした魔導システムはどうやら検索の能力があるらしい。あらゆることを瞬時に検索する能力、もしかしたら戦いで有利に働くかもしれない。
どうやら魔導システムについての解説らしい。このことは探も既に知っている、前のページだ。
三月△日
ようやく俺は魔導システムを手に入れた。これで三郎の仇を討てる。ようやく、ようやくだ、やっと俺は魔導システムの商人を見つけた。何日も何日も歩いた、色んな町、色んな時刻を行った。夜のことだ、ようやくF町の路地裏で見つけた。少しバイト代が飛んだが背には変えられない、三郎の仇を討つために俺は大金を叩いて魔導システムを買った。
魔導システムを買った時の話だ、どうやら魔導システムを得るには相当の苦労と代償が必要らしい。
さらにページを遡ると魔導システムを得られなかったという日を何日か続いた。魔導システムを探す前の日のページまでめくる。
三月〇日
どうやら春樹の使っていた力は魔導システムというらしい。やつの言っていた魔法使いという言葉、それをネットで調べたら魔導システムという人工的に魔法使いになれる道具があることが分かった。町のどこかにいる闇商人から買うものらしい。三郎の仇を討つには春樹と同じ魔法使いの力がいる、なんとしても手に入れないと。
三月×日
三郎が死んだ、俺を庇ってのことだ。春樹はわけのわからない力を使って俺を狙った。いや、わけがわからないことはない。やつは魔法使いと名乗った、魔法使いなんてこの世にいるはずない、だからわけが分からなかつたんだ。魔法使いが何のことかは分からない、だが春樹が俺を狙ったのは確実だ。やつは俺に嫉妬していたらしい。俺がかりんと恋仲になったのを恨んで俺を殺すためにその力を手にしてきた。俺はあいつの気持ちを知っていればかりんの告白を受け入れなかった、そんなことをすれば春樹が傷つくと知っていればかりんと付き合うなどしなかったのに。なんで同じ文芸サークルの仲間でこんなことになったんだ。
どうやらこのページがことの始まりらしい。春樹と索、かりんの三角関係から春樹がことを起こしたとある。もしかしたら三郎とやらもかりんを好いているかもしれない。そして彼らが文芸サークルの集まりであることも記されていた。
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