三十九話 ゼロワンの覚醒
はぁ、はぁと探が息を整えながらシューシューと音を立てるゼロワンを睨む。探の攻撃はかなりの威力だったがゼロワンの変身は解けておらず、警戒は解けない。
それどころか探は彼の魔力の上昇を感じていた。何か起きる、そう感じるのだ。
「あはぁ、あはぁ、俺を………やったなぁ!」
ゼロワンがガバッと勢いよく立ち上がる。その唸りは地の底から来るような低さだ。
「お前らまとめてしねえっ!」
叫びとともに彼の姿が変貌する。マントはコウモリ型の羽根に、指の爪や口の牙はより長く鋭利になった。
この場にいた全員が警戒した。この男、さっきの血を吸うだけの小物でないと!
ズアッとマントの周囲から魔力の弾丸が形成される。
「来るか」
ようやく面白くなったきたと闘華が舌なめずりする。
探は動けそうにない聖麗に目を向ける。
「まずい!」
とっさに聖麗の前に行き、バリアを形成する。バリアと闘華めがけ幾多もの弾丸が飛ぶ!
ドンドンドン!
「ぐ、なんてパワーだ」
探が衝撃に唸る。
「ふ、これは面白くなってきたな。快感だ!」
闘華は腕で防御しながら吠えた。
「いや関心してる場合?!早く攻めないとやられちゃうって!」
探が闘華に怒る。
「急ぐな急ぐな。戦いはペースだ、もう少しペースが乗ってから攻める。少し待っていろ」
だが闘華は探の意見など気にしない。
「いや、逆に攻めないとこっちがやられておたくの妹さんがやられちゃうんですけど……………」
探は能天気な闘華に突っ込みを入れる。
「それは不味いな」
闘華は聖麗の姿を確認して舌打ちした。




