三話 索の日記を読み進めろ①(かりんが死んだ)
探はクモ男の魔法使いとの戦闘を終え自宅に戻っていた。この一件で索が魔法使い同士の戦いで死んだことが判明したがやはり詳しい経緯は分かっていない。索の日記をもっと詳しく読む必要があるのだ。
探はノートの反対側からページを開き、日記の最後に記された部分を呼び出すともう一つページを遡った。
三月×日
かりんが死んだ、俺と春樹の戦いに割り込んでのことだ。俺は死んだ三郎の仇を討とうとやつと戦ったがそれがかりんには耐えられなかったらしい。なにしろ俺達はずっと一緒にやってきた仲間だからな、耐えられるわけないか。彼女は俺と春樹の戦いを止めようとしたんだろう。だが彼女は俺を庇うようにして立ち塞がった。それがいけなかった、それは春樹の逆鱗に触れてかりんを討たせた。胸に一発、一発だ。それでもかりんを殺すには十分だった。かりんが死んだ、その事実が俺に深い悲しみと怒りを呼び寄せた。だが春樹はその場から離れてしまってすぐには仇を討てなかった。
このページによれば索は何かの仲間同士のいざこざで春樹という男と戦うことになったらしい。索は大学生だ、となれば当然サークルか何かの同好会の集まりだろう。
かりんとは女性の名前だ、その女性が割って入ることで彼女が死んだということは痴情のもつれが戦いの要因かもしれない。そこで探はうわあ、なんかドロドロしてきたなぁと感じた。
そしてもう一つ、かりんは胸に一発受けて死んだとある。胸に一発と言えば銃弾を指すのが普通だ。だが索の方は多数の火傷で死んでいる。探は二人の死因の違和感を覚えた。
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