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魔導奏者サグル  作者: 兵郎桜花
フェーズ2 調辺聖麗の章、行方不明の姉は今

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二十六話 探は覚醒者、不振な誘い人



「ようやく一人目の覚醒者か。アンダーウィザーズも随分と仕事が遅いね」


そこへ新たな人物が現れて言った。


「誰だ!」


探が叫ぶ。ゼロとの戦いに夢中で三人とも彼女の気配には気づかなかった。


眼鏡をかけ、ライトパープルのドレスに身を包んだ彼女、彼女は魔力を出していたため探と聖麗は身構えたが戦う力はほとんど残っていなかった。


なんだこいつは、敵か味方か。戦うことは出来ないが油断することは決してない。


「なにあの人、怪しくない?こんなところで派手なドレスとか怪しくない?絶対何かあるよ」


魔法使いではないさくらもその異様さに気づく。こんなところというのはパーティの開かれるような大きなホテルやイベント会場のない場所という意味だ。


「うん、油断しない方がいいのは確かだよ 」


探がさくらに頷く。


「キミたちは何か勘違いしてないか?」


ライトパープルの少女が言うと探達の警戒が若干緩む。よほど怪しい見た目や喋り方でない限り人は話しかけられると警戒心が緩むものだ。


「わたしはキミたちの味方だ、特にキミのね」


少女は言葉の最後に探を指した。その言葉が逆に探の警戒心を上げた。


「俺の、どういう意味だ?さっきの覚醒てのと何か関係あるのか」


探は彼女が現れて最初に言った言葉を挙げる。


「そうだ。キミは魔法使いの中でも特別な領域に入った。キミのような者こそ我々が歓迎するに相応しい」


少女が答える。


「我々?アンダーウィザーズか」


探は魔法使いに関係する組織と言えばアンダーウィザーズを連想した。


「いや、彼らはあくまでシステムを配る商人に過ぎない。我々のような上位種と一緒にしないで欲しいね」


少女は探の言葉を否定する。その言葉通り彼女が放つオーラは探の知るアンダーウィザーズの構成員達とは別格だった。


だが探はどうしても彼女を信用出来ない。彼らとは別格だけにそのオーラはより怪しいものだった。


「ふむ、まだ信用してもらえないか。だがこれだけは覚えて欲しい、覚醒したキミは他の邪悪な魔法使いに負けることは決してないとね」


少女はそう言うとキミの活躍に期待しているよと言って立ち去った。


「なんなのあの子!えらっそうに覚醒とか歓迎するとか探をなんだと思ってるの!?探だって好きでパワーアップしたんじゃないのに!」


さくらが少女に怒りを覚えた。


「なんでお前が怒ってんだよ………」


探は自分に関して言われたのにさくらが怒り戸惑った。


「だって、だってあの言いぶりじゃ探が利用されたみたいじゃん」


さくらが頬を膨らませて返す。


「いや、それ説明になってないし」


「とにかく!探があんな風に言われるのはいやなの!」


うまく説明出来ないがさくらは自分なりに怒っている理由を説明した。


「お、おう……」


理解は出来ないが探はさくらの言い分に納得した。


「探くん、ありがとう。あなたのおかげでお姉ちゃんを取り戻せた。すぐには無理だけどきっと元のように一緒に暮らせるわ。本当にありがとう」


聖麗が探に闘華の記憶を戻したお礼を述べる。


「俺はただ、姉妹が傷つけ合うのを見たくなかっただけですよ。兄が生きていたらきっと同じことをしたはずです」


探は自分が戦った理由を聖麗に微笑んで答えた。


「お兄さん、か。あなたのお兄さんに会ってみたかったわ」


聖麗は探の発言で索に興味を抱いた。探の兄、索は死んでいる、会おうと思ってももう会えないのだ。


「あ、そうだ!さっきみたいに映像を出せば会えるんじゃない?」


さくらが索に会うための手段を提案した。


「あの技疲れるんだからやりたくないんだけど……… 」


探が本当に疲れた様子で言った。


「ありがとうさくらさん。でもいいのよ、映像で見たところで彼は本物じゃない。どうせなら生きてる彼に会わなくちゃ」


聖麗がさくらの言葉に遠慮する。


「そう、でも写真とか動画もあるしそれ見るくらないならいいよね?」


さくらはめげずに探に聞いた。


「いいんじゃない?そっちは家に呼ぶかこっちから持ってくかすればいいからな」


今度は探は承諾した。


「え、い、家に?!探くんの?!い、行っていいのひゃひら?!」


聖麗は家に呼ぶという言葉に混乱して噛んでしまう。


「え、なんで噛むの?」


探はなぜ聖麗がこのタイミングで噛んだか分からず珍しくタメ口で返した。


「え、いやだって、男の子の家とか初めてだし………」


聖麗は恥ずかしさに赤面した。


「え、てっきりよく行くものだと思ってました」


探は聖麗の返答が意外だった。


「そんないかないわよ!だいたい、彼氏でもない男の家なんて行くわけないじゃない!」


聖麗が強く否定する。そんなことをすればふしだらな女になるからだ。


さくらはわたし、探のこと彼氏と思ってないけど出入りしてるんだけどな………と心の中で突っ込みを入れた。


「彼氏、いたことなかったんですか」


探が聖麗の言葉から連想して言う。


探に言われた聖麗は声を詰まらせて顔を真っ赤にした。


探は聖麗を変な人だと思ったがさくらはそんな聖麗に可愛らしさを覚えた。

今回もお読みいただきありがとうございます

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