表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔導奏者サグル  作者: 兵郎桜花
フェーズ2 調辺聖麗の章、行方不明の姉は今

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/349

二十三話 探対ゼロ、これ以上この姉妹を戦わせない



ガシィッ!探が正面からゼロの拳を止める。


「まったく、妹が嫌がってるのにここまでやるお姉さんがいるかな」


ゼロの威力に苦笑いしながら探が言う。手のひらを出すタイミングは検索通りだが身体の方が強い負荷に悲鳴を上げていた。


拳を止められたことに気づいたゼロが距離を取って言う。


「やはり邪魔するか」


「探くん、どうして!」


「うわ、いつの間に………」


探がゼロの拳を止めたことに聖麗とさくらが驚く。聖麗はなぜ自分を助けたという思いが、さくらには先ほどまでいたはずの探がいつ移動したのかという思いがあった。


「聖麗さんが止めても行きますよ。これ以上姉にいじめられる妹というのは見たくありませんから」


探が聖麗に顔を向けて言う。探はまだ兄と一緒に済んでいたころよく兄に面倒を見てもらっていた。だから兄とは弟を守るものと思っている。同様に姉もまた、妹を守るものなのだ。


よって妹である聖麗を傷つける姉のゼロは看過出来ないのだ。


「お前が出るならちょうどいい、あの目障りな顔を見なくて済むからな」


ゼロは目障りな顔の部分で聖麗を見て言った。それがまた聖麗を傷つけ、探を苛立たせた。


バキューン!探が無言で銃を撃った。不意打ちを食らったゼロがよろめく。


「あんまり怒らせないでくれるかな。俺、さっきからとっくに怒ってるけど分かる?」


探が苛立ちを顔に出しながら言った。


「お前の感情などどうでもいい。さあ、早くわたしを楽しませろ」


ゼロが探の攻撃を誘う。するとさらに連続で弾丸を受けた。


「楽しむつもりはない。おしおきだ」


探は冷徹に合間なく弾丸を撃ち続けた。彼には相手を口を開かせる慈悲はない。


「はあ、はあ………」


体力を消耗して息を整える。弾丸一発分の魔力と反動なら大したことはないが何十発も撃てば体力を使うというものだ。


ゼロが倒れ、地面に付した。


「その程度か?」


だなゼロは立ち上がり、下がった上半身から顔だけ上げるとニヤリと笑った。


「な………」


「嘘でしょ!?あれだけ食らったのに平気な顔してるなんて……」


探とさくらは驚いた。ゼロは何十発もの弾丸を受けながらも笑みを返したのだ。この状態で笑えるなどありえない。


「つまらん、やはりただの障害か」


ゼロを吐き捨てるように言った。


「くっ」


探は歯噛みしながら再び弾丸を撃つ。


「ふん」


だがゼロには通用せず全弾拳で弾かれてしまう。


「こいつ、やっぱり見切ってる………」


探は聖麗の攻撃に対応したのと同様にゼロが自分の攻撃にも対応したのだと確信した。


探が次の弾丸を撃つより速くゼロが走り出す。銃はもう通用しない、ならばと次は剣を取り出して接近した。


「はあっ」


腕より剣の方がリーチがある。探はそこを突いて突きを繰り出したのだ。バチィィ!ゼロの魔力を纏った衣装に探の剣が当たりスパークがした。魔法使いの衣装は皮膚ごと魔力で覆い防御しているため刃物を食らっても多少の威力なら出血することはないのだ。


「ふっ」


探は短く息を切り対の剣で追撃する。だがその剣は二本ともゼロに掴まれた。


グ、グググと剣が動かされる。持っている剣を動かされ探が顔を歪める。探は腕に力を込め耐えるが無駄だった。なんというパワーだろうか。


ゼロは無理に力を込めてる様子はない。今この時も笑みを浮かべているのだ。


探から剣が離れ、ゼロの蹴りを受ける。今度はゼロが追撃に拳を振るう。探が拳を受け止め、ガシィッ!ビシィッ!という音が響く。その度に探の体が悲鳴を上げた。何度も攻撃を受けて探の顔に疲れが出る。


「そろそろ遊びも終わりにしようか」


ゼロが距離を取り拳に魔力を貯める。


このままではやられる、探も銃に魔力をチャージする。


「はー!」


ゼロの拳から巨大な魔力の拳が飛ぶ。探は何十発もの弾丸を同時発射した。ぶつかる拳と弾丸、拳は弾丸を弾き探に当たった。


「うわー!」


拳の威力に探が吹っ飛ぶ。大ダメージだ、身体が痛い。だが探は地面に伏すわけにはいかなかった。自分が倒れれば次に出るのは聖麗だ。これ以上聖麗とゼロを戦わせるわけにはいかない。その思いが探を支えた。


「もうやめて探くん!もうあなたの身体はボロボロよ!」


聖麗が探を心配して叫ぶ。


「お前、まだやるのか」


ゼロが笑みを持たず探に問う。


「君に降参て言ってもらうまで倒れるつもりはないよ」


今度は探が笑う番だ。彼の身体はゼロに比べてボロボロだ。だが彼は敢えて笑ったのだ。


それがゼロの神経に触れた。


「降参するのは貴様だ」


ゼロが探に近づく。その間に探は考えていた。どうすれば、どうすればこの状況を打開出来る。いや、どうすればゼロが聖麗のことを思い出す。思考を加速させる。


その思考は無意識に検索能力を使わせた。キイィィィ、そして探の身体からまばゆい光が放たれた。


「なにっ!?」


「なにが起きたの?」


「探、ちょっとどうしたの?!」


ゼロが足を止めその場にいた全員が探に目を奪われた。


探の今の検索は単なる検索ではない。いくつもイメージ、映像を同時に検索したのだ。


やがて探の衣装が赤くなり、白いシャツにジャケットを纏う形に、ヘルメットの上にはV字型の角が現れる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ